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最後まで飽きさせずに見させるコンテンツを作るコツ【伝え方の基本】

聞く人が身を乗り出して聴きたくなる構成ってどうやって作るの?

この記事はそんな方へ向けて書いています。


こんにちは、放送作家の村松です。
私はキャリア20年超えの放送作家として
これまで「池の水ぜんぶ抜く大作戦」「出没!アド街ック天国」「スッキリ!」
「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 路線バスで鬼ごっこ」「ハモネプ」など
多くの番組制作に携わってきました。

そして20年以上のキャリアで培った伝える技術を詰め込んだ講座を
早稲田大学エクステンションセンターで担当しています。


この記事では、20年以上にわたる「伝える仕事」のキャリアで学んだ、
あなたの伝え方を劇的に変えるための訓練方法を紹介します。

放送作家という伝えることのプロならではの視点で、
一般的に書籍などには書かれていないようなこともお話ししようと思います。

これを知れば
ビジネスシーンやプライベートで
あなたの企画やアイデア、表現したいことを
相手に伝えることができるようになります。


最後まで飽きさせずに見させるコンテンツを作るコツ【伝え方の基本】


「つい最後まで見ちゃう」の秘密


あなたもテレビ番組を見ていて

最初はその気もなかったのに気がついたら最後まで見てしまった

という経験はありませんか?


実はそれ、まんまと制作側の仕掛けにハマっています。


というのも、あなたはなんとなく最後まで見てしまった訳ではなくて

制作側の仕掛けによって「見させられてしまった」からです。


その技術とはズバリ「引っ張り」です。


あなたもこの技を応用すれば

プレゼンをパワーアップさせ、

聞き手に最後まで見せ切ることができます。

なぜこの技術が有効なのか?


最初になぜこのカラクリにより

最後まで見てしまうのか?についての

理由をお伝えします。


これは

気になることは知りたくなる

という人間の心理を利用しているからです。


あなたもこんな経験がありませんか?


あー、あの人の名前なんだっけ?

絶対知ってるし、顔のイメージは浮かんでる!

名前も喉まで出かかってるのに・・・

あー、気になる!


こんな時にその人の名前がわからないと

ものすごく気持ち悪いですよね?

少しでも気になると

その答えを知ってスッキリしないと

人は消化不良になってしまうものです。


そこでこの心理を

エンタメの演出として利用したのが

ひっぱりという技術になります。


テレビ番組の冒頭に注目すると


テレビ番組に冒頭は

アピールの場です。


制作側は折角作って、面白く仕上がった内容を

一人でも多くの人に見てもらいたいと考えています。


そこで番組冒頭に

今日も面白いものがあります!

というアピールを行います。

このブロックをアバンという呼び方をします。


具体的に見ていきましょう。


例えばバラエティ番組で

あるスターが出演して

何かのゲームやトーク企画を行なったとします。


その冒頭=アバンはこんな風になります。

あのクールなスターのキャラ崩壊!一体何が!?

というナレーションと共に

パニックになったり、愚痴ったりしているスターの映像が流れます。


すると視聴者は、

ええ?そうなの?
何があったんだろう?

と心が動くのです。


実はここから引っ張りが始まっています。


アバンで引き込む


いつものスターとは違う

という情報を提供すると

あなたは「一体何が起きたんだろう?」と思うはずです。

その答えを知りたくなるはずです。


これは先ほどの

「思い出せない誰かの名前」と同じ状況です。


名前を思い出すまで気になるのと同じで

「一体何が起きたんだろう?」の答えが出るまで

すっきりしませんよね?


「思い出せない誰かの名前」と

全く同じ仕組みで

エンタメに流用されているのがわかるかと思います。


ポイントは冒頭の@@にある


引っ張りを作り出す際に重要なポイントとなるのが

最初に提示する情報です。


ここが良い感じに「謎」を生み出すことがポイントです。


なぜかと言うと

謎が生み出されることで

その答えを知りたくなるからです。


謎がなければ

気にならないので

最後まで引っ張られることはありません。


なので、引っ張りは

最後の答えも大切ですが

それとセットで重要なのが

アバンで提示される謎なのです。


@@させたら引き込めない


先ほどのスターが出たバラエティ番組の例を

もう一度見てみましょう。


あのクールなスターのキャラ崩壊!一体何が!?

というナレーションと共に

パニックになったり、愚痴ったりしているスターの映像が流れます。


↑ここであなたに気がついてほしいことが一つあります。


それは「情報をチラ見せ」しているという点です。


真実がこうだとします↓

クールなスターが「箱の中身はなんだろな」というゲームに挑戦し、

中身が子猫だと知らずに大パニックになった。


これをアバンで全て伝えてしまうと

謎が生まれません。


全て伝えると視聴者は

「そういうことなのね」と“納得”してしまいますよね?


引き込むためにはこの納得が大敵です。


どの情報を伏せると期待値が上がるのか?


クールなスターが「箱の中身はなんだろな」というゲームに挑戦し、

中身が子猫だと知らずに大パニックになった。

これを丸ごと伝えると期待値が上がりません。


そこで考えるべきなのが
どの情報を伏せると期待値が上がるのか?ということです。


具体的には全文から網掛け部分を省いてみます。


<ビフォー>

クールなスターが「箱の中身はなんだろな」というゲームに挑戦し、

中身が子猫だと知らずに大パニックになった。

クールなスターが「箱の中身はなんだろな」というゲームに挑戦し、

中身が子猫だと知らずに大パニックになった。

<アフター>

クールなスターが大パニックになった。


いかがでしょうか。


一体なんでだろう?という気持ちになったでしょうか?


あなたのプレゼン冒頭で期待値を上げる方法


この方法は他のエンタメでも頻繁に使われています。

ミステリー小説などが有名ですよね。


5W1Hの1つを隠すだけで大きな引っ張りができるとも言われています。

→いつ(When) · どこで(Where) · 誰が(Who) · 何を(What) · なぜ?(Why) · どのように(How)


同じようにあなたのプレゼン(文章、映像)でも

どの情報を伏せると期待値が上がるのか?

と考えると、アバンで謎が生まれます。


この謎で視聴者をあなたの世界へと引き込み、

謎の答えがわかるまで引っ張りましょう。


頭の謎と最後の答え。

このセットを組み込むことで

あなたの構成がガラリと変わります。


まとめ


このように「聞く人が身を乗り出して聴きたくなる構成ってどうやって作るの?」という問題は、

引っ張りを組み込むことで解決できます。


どの情報を伏せると期待値が上がるのか?を考え、

冒頭に謎を作ることで最初から最後まで飽きさせないプレゼンを作りましょう。


詳しく知りたい、体感したい!という方は
早稲田大学エクステンションセンターで講座をやっていますので
こちらをご覧ください。


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