大木貢祐
小説『Eyja』をまとめています。 どのように配置したら読みやすいかは検討中です。 noteのことまだよくわかっていません。
Ivoryとは、2024/7/30に発売された声優であり、あらゆることのアーティストである田所あずささんの6曲入りのアルバムです。6曲とも作詞を任せてもらったのでそれぞれの曲のことを作詞家目線で書いています。これは②で完結編ですが、②から読んでもらってもいっこうに構いません。 ※8/31、アンカットの部分に追記しました。 4、アンカット 田所さんが日々受け取るファンの方々からの手紙の内容をもとに詞をつくりました。アルバム制作当初から、みんなへの返事としての曲をつくりたい
Ivoryとは、2024日7月30日に発売された田所あずささんのアルバムです。全6曲のミニアルバムで、6曲とも自分大木が作詞を任せてもらいました。作詞をした人間の目線から、楽曲ひとつひとつの話をします。 1、ハワイムーヴ アーティストとして10周年を迎えた田所さんの、マジ歌唱力がないと成り立たない曲。歌詞の意味はそのまま「ハワイみたく近づいてけ数センチ」という意味。田所さん的には高校時代のテニス部のイメージらしい、努力の歌です。 自分が現在、外国語を話せるだとかカラオケ
歌詞要らない? 歌詞は必要だろうか。歌詞の載ったメロディ発生の動機として「詩大序」の冒頭を読んでみると、まず心に抱えたものが詩となって、音高を伴ったものとして身体から出てくる。その嘆きのようなものは歌となり、それでも足りなくなると手足を伴って舞い踊る…みたいな具合だ(単純化できない循環がある)。この想いよ(たとえば神に)届けと自然に歌が生まれる。言葉から自然にメロディに移行していく過程を、メロディに言葉を当てはめる、に変えてもうまくいくのだろうか。 ソラリスの海、原子の海
Waverとは 2021.1.27に発売された田所あずさ(声優・アーティスト)初のセルフプロデュースアルバム『Waver』。サウンドプロデューサーに神田ジョン(PENGUIN RESEARCH)が、メインライターにわたし大木貢祐が起用されている。作詞における「メインライター」という言葉は寡聞にして知らないがググっても出てこないので、作詞における「メインライター」は『Waver』制作における大木の振る舞いとイコールということでよろしくお願いします。 『Waver』には前作『
人類史上初めて、民選により女性が国家元首になったのが1980年。アイスランド第4代大統領のヴィグディス・フィンボガドゥティルは、モノクロの写真の中で英国初の女性首相、サッチャーと並んでいる。2人は完全に横並びで、共感が画角を律しているが、ヴィグディスのドレスはフォーマルを逸脱していてどこか演劇めいている。故アレキサンダー・マックイーンの仕掛けたコレクションの、そのランウェイの途中。1995AW「Highland Rape(レイプされたハイランド)」、1996AW「Dante
比奈と喜八郎は『The Bermuda Triangle』の話もしたかもしれない。誇張や牽強付会さをそのまま受け入れ、割り切れない世界への揺らぐ想いを互いの瞳に認め、信頼を深めたかもしれない。2人は互いを尊重し、老いた惑星の地層のような親しみを重ねてきた。比奈と喜八郎の惑星のコアは既に重金属を生成している。『The Bermuda Triangle』について語り合っていたら。チャールズ・ベルリッツの奇抜な最期は比奈の肝を冷やしただろうし、大西洋三角域の秘密は衰えた喜八郎の好
「Hina-Hanaia-i-ka-Malama」の先頭の「ヒナ」は比奈の名前の由来で、ポリネシアでも最も古い神話に出てくる女神。その子は半神半人のマウイで、放埒な性格ながら現在でも愛されている。比奈が物心つく前から祖父喜八郎は繰り返しこの物語を語り聞かせてきた。兎が餅をついている、よりも先にまるい月には女神ヒナがカパ布を打っている姿が見えていたし、特に暗い部分はカパ布の材料となるバニヤンの木が生えていると聞いていた。一度ホノルルで見たバニヤンの木からは地面に向けて無数の「
チャールズ・ベルリッツが22歳の記憶、西暦で言うと1937年。1937年の冬。アイスランドの南西沖で海底火山の噴火があった。世界大戦の合間に起こった奇跡のような出来事。チャールズ・ベルリッツはそう言っていた。そう言っているところを内側から見ていた。私はチャールズ・ベルリッツとしてそう口にしていた。当時新聞か何かで知った記憶を引っ張り出したのだ。チャールズ・ベルリッツが。私が。ウルトラブルカノ式の噴火はマグマが冷たい海水に直に触れるので、派手な水蒸気爆発を引き起こす。早送り再
誇大広告だけが生活の風景になる前の1974年、誇張だらけのオカルト本『The Bermuda Triangle』が出版され、世界的なベストセラーになった。著者とされるチャールズ・ベルリッツは謎の失踪を遂げており、死体は見つかっていない。最後の目撃者とされるフロリダの証券投資家は、明け方の海で自身のサロンクルーザーの甲板に中腰で立つ彼の姿を見た。半身だけ振り返った彼の右眼から何かが突き出ているのが見えて怯んでしまい、その隙に彼は大西洋に飛び込んでしまったという。自身の目に引き