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状況分析と方略

物事が上手く行かなくなったときに、「なんでこうなってしまったのだろう」だとか、「この局面を自分は乗り越えることができるのだろうか」と考えてしまうことがある。そんな時に、「そんなことつべこべ言ってないでどう乗り越えるかだけ考えろ」という人もいる。

前者は状況分析で、後者は方略である。同じ「考える」という行為でも、思考のフェイズが違っている。問題の渦中にいるとき、解決するためには状況分析は必要ない。方略をとにかく考え抜くべきである。状況分析は、後からでもできる。

思考力が高い人間とは、一般的な人間より言語が過多になっている状態である。いろいろと考え過ぎてしまうというのは、ひとつの状況に対して多く言語化してしまうことにより起きる。この状況に対する言語化というのは、物事を深く考えるときの基本的スタンスであるので、思考力の高い人間は、状況分析を無意識のうちにしてしまう。

しかし一歩更に踏み込み、この自分が「考えている」という行為は、状況を分析しているだけなのか、それとも解決に向けた方略を見つけ出そうとしているのか判断しないといけない。その判断ができるということが、「悩んで行動できない」時と「問題解決のために合理的に動ける」時の境目のようにも思える。

「無理か・無理じゃないかの検討よりも「すると決めたことをいかにして成すか」のほうが大事なはずなのに、無理・無理じゃないかを検討するだけの人生を過ごしている人が多すぎなのでは」

と、ある元サッカー選手の方が仰っていたのを、思い出します。

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