他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#28

「マザー・ハッカー 1999年のゲーム・キッズⅡ」渡辺浩弐(幻冬舎文庫)
 #17で兄が買っていた「ファミコン必勝本」について触れていたが、それ以外にも「ファミマガ」や「マル勝ファミコン」、「LOGiN」
と色々と目にしていた時代もあったけれど、弟がゲームにはまるにしたがって「ファミ通」を長年に渡って愛読していたため、連載作品のいくつかは単行本を買うほどはまってしまった。
 そんな中、連載当初はそれほどでもなかったけれど文庫化がされたのが大人になってからで、ショートショートやSFを楽しめるようになってから面白く思えたのが、今回の作品を含む「ゲームキッズ」シリーズだった。この2巻目をチョイスしたのは現在でも面白いと思う「似合いの夫婦」(ちょっとネタバレするとコンピューターに選ばれた結婚が自分の理想と違うのに…というのが実は…という話)が収録されているからで、1巻や3巻ももちろん面白い。はっきりいって人間のエゴが引き起こすバッドエンドがほとんど占めるのに、読後はすっきりしているからあまり暗くならず読めるのかなと思っている。
 表題にもなっている「マザー・ハッカー」はラスト5行のどんでん返しに「そう来たか!」と納得してしまった。ショートショート好きに
なったきっかけの作品なので。

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