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読んだ本についてゆるい感想や本にまつわる思い出を述べております。たまに音楽についても触…

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読んだ本についてゆるい感想や本にまつわる思い出を述べております。たまに音楽についても触れています。

最近の記事

読書ときどき音楽も#142

「198Xのファミコン狂騒曲」塩崎剛三(SBクリエイティブ)  年代的にそうなのか、ここ最近は長らく続いた「昭和30年代」や「1970年代」ものが一通り落ち着いたのか、「1980年代」を振り返る企画が多くその時代を子どもとは言えリアルタイムで過ごした身としてはついつい反応してしまう上に、どっぷり親しんだエンタメだともう止まらない。  今回の著者は雑誌『ファミコン通信』の立ち上げから関わっただけあって購入前から期待が高かった。1980年代後半はファミコン全盛期で、関連書籍も多

    • 読書ときどき音楽も#141

      「大学教授こそこそ日記」多井学(三五館シンシャ)※電子版  ついつい読んでしまう「日記シリーズ」。刊行されたものはひとまず読んでいるが、大きく分けるとざっくり2つになる。「生活のためにしている仕事なので愛着が持てない上、内容もブラックすぎて、働いている中の人もすさみきっていて現実なのでラストがすっきりしない」か「仕事そのものは好きだが、時代の流れなど自分ではどうにもできない状況で淡々と仕事をこなしている」かである(個人の感想)。  この日記は後者で、かつ著者は本業でも著作が

      • 読書ときどき音楽も#140

        「長い冬 ローラ物語1」ローラ・インガルス・ワイルダー/谷口由美子:訳(岩波書店)  「大草原の小さな家」シリーズ第5弾。この話のみ講談社文庫版では翻訳されていないのと、時系列的に「シルバー湖のほとりで」の続きになるので本当は「農場の少年」を先に読むのだろうけれど、個人的趣味でこっちを先に読むことにした。あとは、タイトルで想像がつくように(何せ原題もそのままの「The Long Winter」だ)シリーズ一過酷な舞台となるため、間違っても冬に読みたくないなあと思っていたので

        • 読書ときどき音楽も#139(2024.8.29)

          「エンジョイこの世」林雄司(デイリーポータル株式会社)※同人誌  ここ数年、ちょっとしたきっかけがあってコミケ以外の同人誌即売会に足を運ぶ機会が増え、あらたな同人誌との出会いもあるのだが、ついつい時間差で著者だったり、新刊が遅れて販売されるという事態があると泣く泣くあきらめることが良くある。単純に体力的な問題なので飲まず食わずで長時間うろうろするのがだんだん耐えられなくなったのが大きな理由である。ああ、年は取りたくない。  それでも神様はいるもので、そのあきらめた同人誌を買

        読書ときどき音楽も#142

          読書ときどき音楽も#138

          「コンビニオーナーぎりぎり日記」仁科充乃(三五館シンシャ)※電子版  新作が出るたび(正確にはセールになるたび)、必ず購入する「日記シリーズ」。実は一度セールになった時期にうっかり購入しそびれ、あげくにはその後の単行本の方が先にセールやポイント増で出てきて先に買ってしまったが、「シリーズ物は順番に読む(一部例外あり)」をモットーとしているため手に入れるまでは他の書籍も読めずどうなることやらと思っていたが無事再度セールとなったので購入し、早速読む。  いままでの「お仕事先」は

          読書ときどき音楽も#138

          読書ときどき音楽も#137

          「ネットはなぜいつも揉めているのか」津田正太郎(ちくまプリマー新書)  「炎上」は絶対にしたくないけれど気になってしまうので昔から関連書籍を読んだりするのが好きだった。言葉は悪いが「野次馬的興味」で、流行っていた時に結構買い集めて読み、「うわあ、馬鹿なことしてるなあ」という感情で面白く読んでいたのであった。さすがに自分も年をとり、更にここ数年は炎上自体も特殊な事例でなくなったのと、痛ましい結末になることも増えているので昔ほど無責任にまとめている書籍は激減してしまい、これはこ

          読書ときどき音楽も#137

          読書ときどき音楽も#136

          「日本ご当地チェーン大全」タツミムック(辰巳出版)  どんどん物理的なスペース圧迫&非力になったことで重い本を持ち歩くのが面倒になるといった理由で文章・漫画問わずに電子に移行しつつある読書環境であるが(ただ、老眼は紙・電子どちらにも優しくない)、見かけると重くてもついつい買ってしまうジャンルはある。この「タツミムックシリーズ」は好きなレーベルで今までにも懐かし系・実録事件系・お色気系と何冊か所持しているのだけれど、発売前から楽しみだった「ローカルグルメ系」だけに発売日をわく

          読書ときどき音楽も#136

          読書ときどき音楽も#135

          「シルバー湖のほとりで」ローラ・インガルス・ワイルダー/こだまともこ、渡辺南都子:訳(講談社)  「大草原の小さな家」シリーズ第4弾。ここからは未読なので、ひたすら読み進める。今までの3作は1年単位の生活をじっくり描写している感じがしたけれど、冒頭から病によりインガルス家が悲惨な目に合うところ(おそらく姉妹で一番美しかったメアリーの不幸がとにかく気の毒)から始まり、また前作から数年経過していることもありローラが一気に大人になってしまっていてほのぼのしたおとぎ話のような生活は

          読書ときどき音楽も#135

          読書ときどき音楽も#134

          「ひきこもり処世術」カレー沢薫(講談社)  新刊が出たと聞けば、形式を問わず買う推しの作者の新刊。しかもいきなり文庫。こうなると昨今の出版業界の厳しさがひしひしと伝わるが、賢くない消費者としては「安く買える」のは少し嬉しいので、さっそく通勤のお供で読み進める。  いわゆる「コロナ禍」の真っ盛りに綴られたコラムであるので、少し時のたった現在から読むと、「こんなことしてたなあ」とか「不安だらけだったなあ」と懐かしく感じる部分も。個人的にも緊急事態宣言中の不安だった時期を思い出し

          読書ときどき音楽も#134

          読書ときどき音楽も#133

          「ジョン、全裸同盟へ行く」北原尚彦(早川書房)※電子版  昨年、Kindle書籍半額セールをきっかけに「シャーロック・ホームズ」シリーズを読破したことで一番良かったことは、「オマージュやパロディがより面白くなること」であった。それは、好きな作品である「力士探偵シャーロック山」をシリーズ未読と読破した後では、まっさらな状態でももちろん面白いけれど、「こんなところを原作通りにやるなよ」と突っ込みができる分面白さに深みが出てきたのを実感した。  この作品も当然セール期間でダウンロ

          読書ときどき音楽も#133

          読書ときどき音楽も#132

          「通常は死ぬ前に処分したいと思うであろう100のモノ」みうらじゅん(文藝春秋)  「VOW」の単行本をむさぼるように読んでいた中学生時代から全然精神的成長のない自分であるが、その「VOW」本編にもイラスト以外でがっつりからみ、外伝「VOWでやんす」(もちろん所持している)から本業のイラストではなく幅広い「変なものに対する愛情深さ」でファンになった。個人的には「クソゲー」の生みの親にして「マイブーム」「いやげもの」「とんまつり」「ムカエマ」といった造語を次々と生み出す名コピー

          読書ときどき音楽も#132

          読書ときどき音楽も#131

          「プラム川の土手で」ローラ・インガルス・ワイルダー/こだまともこ、渡辺南都子:訳(講談社)  「大草原の小さな家」シリーズ第3弾。ここまでは子どもの頃読んでいて、小学生時代の自分にはこの巻が一番面白く感じた。開拓民の生活に興味がなかったせいて(かわいくない子どもでした)、「プラム川」で学校や町での買い物、教会でのクリスマスといった「都会的な生活」が出てきてわくわく読み進めた。ただ、大人になってから読み返してみると、「修正は過分に入っているが、ベースは実話」な分、イナゴ(実際

          読書ときどき音楽も#131

          読書ときどき音楽も#130

          「頭の回転が速い人の思考法 この本のタイトルを考えてください」監修:俺スナ(総合法令出版)  久しぶりに「もうダメかも」というぐらい行き詰っている。同じところで長年仕事をしていて人間関係も固定されているので、昔から気の合わない人間は年を取ったところでやっぱり合わないし、逆に若い頃良い人だと思っていてもここ最近は「何か違うな」と思ってしまったらもうダメだし。こうなったら思い切って休んでしまえば何とかなることもあるのだが、少々難しい時期で踏んだり蹴ったり。だから有休の完全消化ど

          読書ときどき音楽も#130

          読書ときどき音楽も#129

          「コラージュ川柳」淀川テクニック(宝島社)  自分で作るセンスは全くないのであるが、川柳を読むのが好きである。そしてこの本もやはり書店で表紙が異彩を放っていたので速攻でジャケ買いしたもの。  コラージュ川柳とは、前書きによると「新聞や広告、雑誌など身の回りの印刷物から五文字と七文字の言葉を切り抜きます。/(改行、1字下げあり)それを五七五と三枚合わせて川柳を詠みます(後略)」とあり、編者も指摘してますが見た目はまんま脅迫状で、それにありえない単語同士が結びついているので破壊

          読書ときどき音楽も#129

          読書ときどき音楽も#128

          「現代語訳 豆腐百珍」何必醇/福田浩:訳(中公文庫)  漫画や小説などで引用されていて、タイトルと何が書かれているかはなんとなく分かっていても読んだことがない本。自分にとってそんな位置にあった「豆腐百珍」。最近文庫として登場したので思わず購入。もちろん、この書籍のことを知ったのは漫画『美味しんぼ』である。さすがに当時は豆腐について思い入れはなく、読み飛ばすだけであったが年を取った分豆腐に対する感情も変わってきたので本当に豆腐でこんなにたくさんのレシピがあるのかと興味津々で読

          読書ときどき音楽も#128

          読書ときどき音楽も#127

          「大草原の小さな家」ローラ・インガルス・ワイルダー/こだまともこ、渡辺南都子:訳(講談社) 「大草原の小さな家」シリーズ第2弾にしてメインタイトル。前作の回でも説明しているけれど他社版で読んでいるので初見ではないが、30年以上ぶりとあって細かい部分は結構忘れているなあ、と再読して思う。この作品を読んで避けられない、ネイティブアメリカンに関する描写問題。確かに子どものころはそんな歴史的背景は分からないから、家建てたのにすぐに引っ越しなのかと思っていた。現在、歴史のことも少々

          読書ときどき音楽も#127