同志よ
こんにちは😃コッシーと申します。
愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。
さて、うちのデイサービスから歩いて5分ほどのところに全く別の会社が運営している小規模のデイサービスがあります。
元々模型屋さんだったところを5年ほど前に店主が一念発起して模型屋を畳んでデイサービスをオープンさせました。
うちの近所ということもあり、オープン当初はライバル心むき出しでバチバチにやりあっておりましたが、もともと向こうは小規模でこちらは中規模で、若干枠組みが違います。
またうちのデイサービスは重度の方と軽度の方も全て受け入れておりましたが、向こうは比較的軽度の方のみを受け入れる体制で、逆に向こうから重度になったご利用者を紹介してもらう事もあったり、こちらが軽度の方を紹介したりするなど、ここ1年2年はライバルであり、連携先であり、なんというか同志のような関係でした。
オーナーでもある模型屋の店主は最初は「負けないですよ」と言ってたくせに、運営が上手くいかなくなると手土産持って「いろいろ教えてください」と頭を下げてくるとても愛らしい人です。
市のセミナーや通所部会などで顔を合わすと同席に座っては、近況を語り合う仲でした。
そのデイサービスが8月末を持って閉鎖すると先日FAXが流れてきました。
店主からは何の連絡や相談も受けていませんでしたので、すぐに店主の携帯に連絡をしました。
「もしかしてFAX見ちゃいました?」とバツが悪そうに電話に出られました。
どうやらコロナの影響で利用者が極端に減ったわけではなく、職員がバタバタと数名辞めてしまい、先々を考えた時今が辞め時だと思ったとのことでした。
事業者はそれぞれの事情があり内情まで知らない僕が相談もされてないのにあれやこれやと口を挟む事は出来ません。
店主には一言「寂しくなります」とだけ伝えました。
店主は「そちらにご利用者を何名か紹介しますので」と言ってくれました。
どのビジネスにおいても数の論理はあると思っていて、当然介護事業にも当てはまります。
一概には言えませんが小規模のデイサービスというのは、売上の小ささからギリギリの人員で運営しているところも少なくなく、このデイサービスもそうだったみたいです。
1人でも辞められたら大変なところ数名も辞めてしまうとなると閉鎖も考えざる得なかったかもしれません。
残ったスタッフに聞いたらしいですが、辞めたスタッフの何名かはもっと給料の良い施設に移ったとのことです。
残酷ですが、これが現実なんだと思います。
決して本位ではありませんが、結果だけを見ると、小規模の近所のデイサービスが閉鎖をして、中規模のうちのデイサービスの利用者が増えた形となりました。
今後小規模の事業所はますます厳しくなっていくと思います。そうなるとスタッフに対して満足な給与が払えなくなる可能性が高まります。
いくらお金が全てではないと言っても働く上で給料はめちゃくちゃ大事です。スタッフが他の施設に移っても全く不思議ではなく、むしろ頻繁に起こりうる事だと思います。
こんな事を言うのはとても心苦しいですが、小規模の事業所は今後の事業方針を検討するべき時なのかもしれません。
今回、僕の同志は、『辞める』という選択をしましたがそれも一つの方法だと思います。
スタッフが不足なる中で無理やり運営するとやはり事故のリスクが高まります。
あってはならない事ですが利用者が死亡してしまったらそれこそ取り返しのつかない事になってしまいます。
辞めてしまうのは本当に残念ですが、彼の選択を尊重したいと思っています。
今後どうするかはまだ未定らしいですが、コロナが落ち着いたら一杯ご馳走させていただき、昔話をしたいと思います。
本当にご苦労様でした。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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