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はじめてのおむかえ

先日は、誕生日のお祝いコメントを多数いただきまして厚くお礼申し上げます。皆さんに少しでも楽しんでもらえるような記事が書けるよう43歳も挑戦し続けます。これからもご指導ご鞭撻をいただけると幸いです。

こんにちは、コッシーです。


さて、先日初めてハイエースにて利用者の送迎を行いました。

自動車事故というのは大怪我につながったり下手をすると命に関わる可能性があるため万が一でも事故をするわけにはいきません。

そのため送迎本番まで何度も練習を重ねました。しかしいくら練習を重ねても利用者を乗せてない状態と乗せた状態では緊張感が全く違います。

送迎当日の緊張はやはり相当なものでした。

「僕の腕に利用者の命がかかっているんだ。たとえ僕が緊張で体調を崩したとしても絶対に利用者は守る!!」

それくらいの意気込みで送迎業務に臨みました。#気負い過ぎやろ#そんなヤツに運転さすな


日頃の行いのせいか、その日はあいにくの大雨でした。バケツをひっくり返したような雨に、「なぜ僕はもっと良い行いをしなかったのか…」とこれまでの自分の行動を呪いました。#運無さ過ぎやろ#そんなヤツに運転さすな

雨が降ろうが槍が降ろうが利用者を安全に送り届ける事に変わりはありません。むしろそういう不利な経験を早めに出来ることに逆に感謝し、気合を入れ直しハイエースに乗り込みました。


うちのデイサービスの送迎は運転手+ケアスタッフの二人で行っています。ケアスタッフが車内の利用者の見守りをすることで、運転手に運転業務により集中してもらうことができます。

利用者の中には急にシートベルトを外してしまう方や失禁をされてしまう方もみえます。そんな時に運転手1人だったとしたら対応に苦慮しますし、運転中であればとても危険です。

そのため必ず二人1組で送迎を行っています。

その日僕とペアになったのは百戦錬磨のベテランスタッフでした。おそらく僕を安心させるためにそういう組み合わせにしてくれたのでしょう。さらに僕の送迎するルートはとても分かりやすい道順でしかも細い道を通らなくても大丈夫なルートにしてくれました。

いろんな配慮をしてもらって、「失敗は許されんぞ…」と逆にハンドルを握る手に力が入ります。#だからそんなヤツに運転さすな


8時20分ころから朝礼が始まり、本日の注意事項などの申し送りを終え、車椅子などをハイエースに積み込み準備を整えます。

そして8時30分、いよいよ出発の時間です。

以前の記事にて、『8時30分に愛知県方角に両手をかざしてください』とお願いをしたことからきっと多くのノー友さんが僕に気を送ってくれたに違いありません。

いつもよりも戦闘力が高まっているのを確かに感じました。この時の僕は10倍界王拳にも耐えられるくらいだったと思います。本当にありがとうございます。

雨足は一向に弱まる気配を見せない中、送迎が始まります。ベテランスタッフから「道順教えましょうか?」と言われましたが、このコースは何度も練習を重ねましたので道順は頭の中に入っています。

「いえ、大丈夫です。分からなくなったら助けてください。」

「承知しました。いつでも言ってくださいね。」

そう優しい声を掛けてもらい出発しました。


この日僕がお迎えに行く利用者は全部で5名。

セオリー通り1番遠くの利用者宅へまず向かいました。

雨のせいか少し道が混んでるように感じます。でも慌てずゆっくりと現地へ車を走らせました。

利用者宅に到着し定位置へ車を駐車します。ケアスタッフが傘をさして小走りで利用者を迎えに行きます。

スタッフの傘に入って利用者が歩いてくる姿が見えます。利用者を濡らさないよう自分はカッパを着て傘のほとんどを利用者に傾けているスタッフの姿も見えました。

利用者を優先することは当たり前のことかもしれません。でもそういう姿を改めて目の当たりにすると、現場スタッフには頭が下がります。

統括責任者としてはこういう職員を守っていかないといけないと気を引き締め直しました。


2人目、3人目と順調に利用者を車に乗せていきます。そして4人目の利用者を乗せた時、その女性利用者が僕を見て何かに気付いた様子でした。

「あら?あなた偉いさんじゃないの?」

その方は僕が介護事業部の統括責任者ということ知っていたようで、そんな風に僕に声をかけてくれました。

いやそんな大した者ではありません、そう僕が答えようとするより先に同乗していたスタッフさんが口を開きました。

「そうなんです!この方は1番偉い人なのにこうやって運転までしてくれて私たちを助けてくれているんですよ!」

この言葉に呼応するように、車内の利用者たちが「ほほう!すごいなそれは」「なかなかできることではないですな」「偉いねぇ」と口々に言ってくれました。

まさかそんな事を言ってもらえるなんて全く想定していませんでしたので、恥ずかしいやら恐縮やらでもやっぱり嬉しいやらで複雑な気持ちになりました。

でも僕が偉いかどうかは関係なく、現場が大変な時に一緒に汗を流すことは本当に大切な事だと思っています。自ら経験することで現場が何に苦しんでいるかどんな助けがいるのかを理解することができるのではないかと思います。

そしてそういう姿が現場からの信頼を得られるのだと思います。

僕は間違ってなかった、そう思い真っすぐ前を見つめてハンドルを握り直し車を走らせました。


そして左折するのを忘れました。


「あ!そこ左よ!」とスタッフさんに言われましたが時すでに遅し。

僕の迷いなき真っすぐな視線と同様に車も左折することなく迷わず真っすぐ進んでいきました。#いやそこは迷え

5人目の利用者宅は一方通行が多いところで、そこを左折しないと一通地獄に陥ってしまい、普段よりも時間がかかってしまいます。

道をグルグルしてようやく5人目の利用者宅に辿り着きましたが、待たせてしまいました。本当に申し訳なかったです…

幸い同乗していた利用者たちからは「ドライブできて良かったよー」と笑って許してもらえました。

ちょっとスタッフや利用者から褒められるとこうです。調子に乗ってはいけないということですね。反省です。


こうして僕の『はじめてのおむかえ』は一応は無事に送り届けることができましたので、成功ということにします。

今後、送迎に関しては1週間に1度くらいするつもりです。

今までは知ることもなかった送迎時の利用者の様子やスタッフの対応などが把握できることや送迎時に二人になることからペアになるスタッフからいろいろと深い話が聞けたりでき、送迎時に学ぶことは多いと思います。

ただ調子に乗って道を間違えることだけはしないように肝に銘じたいと思います。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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