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【卒業】

経営陣は現場の事を分かっていない_

現場は経営の事を分かっていない_

仕事をしているとこんな言葉を耳にすることがある。

これはおそらく真理で経営陣は現場の全てを理解していないし、現場は会社の経営状態を把握していないことが多いと思う。

ただこれには致し方ない部分もあって、経営陣は経営陣のやるべきことをやらないといけないわけでそれは現場で一緒に汗を流すことではないし、当然現場は現場を滞りなく回すことが本分なのだ。

要するに適材適所ということで、自分の時間を自分の役割を担うために使うという至極当たり前のことだ。


昨年の夏あたりから現場を離れようと思っていた。

僕は社長ではないけれど、一応会社の経営の一旦を担っている。

会社の将来を考えて、いろいろとやらなければいけないことがあるし、やりたいこともたくさんある。

それが自分の役割だと思っていたし、そのためには現場を離れて時間を作るしかないと思っていた。


コロナが落ち着いてきた昨年の秋くらいから引継ぎを始めた。

でも引継ぎは全然上手くいかなかった。

僕の仕事は僕がやりやすいようにカスタマイズされており、どうやらそれは万人受けするやり方ではなく、後任(に予定してた)職員からは「絶対に無理です…」とすぐに匙を投げられた。

後任職員が出来るようなカタチにしてから引継ぐしかないかな、と考え焦らずゆっくりとやっていく方針に切り替えた。


引き継ぎをする前から僕は常々考えていたことがあった。

経営陣は現場にいないことが本当に正解なのかということを。

急に久能整 くのうととのう感を出してしまって少し恥ずかしい気持ちでいるけど、気にせず続けようと思う。

現場というのはどこの世界も日々慌ただしく動いており、こと介護現場に関しては本当に戦場と言っても良いくらいバタバタしている。だから現場に経営のことまでやれと言うのは土台無理な話だと思う。

でも経営陣はどうだろうか。

そりゃもちろん経営陣の中には分刻みのスケジュールで動いており日々忙しくしてる方もいると思うけど、結構な数の方が自分の裁量で働く事が出来るように思う。

言い換えれば自分の好きなように働けるということだと思う。

だとしたら、たとえ現場にいても自分の好きなように仕事をコントロール出来るんじゃないかと思う。

それに現場にいることでスタッフが何を考えて何に困っているのかが把握できるし、何より利用者の顔が見えるのがとても良い事だと思う。

スタッフや利用者を肌で知る事で本当の会社の未来が見えてくるんじゃないかと僕は常々考えていたのである。どうも久能です。


ただそうは言っても現場にどっぷり浸かると時間が無くなるのは事実で、新しいことをなかなか始められなかったり進行具合が遅くなったりもした。もしかすると会社としては現場にいる時間を他のことに当てた方が効率が良いのかもしれないと思ったりもした。

何が正解なのか…

もじゃもじゃ頭をかきながら悩んでいた。どうも整です。


そんな時だった。

うちの会社がコロナの被害を受けたのは。


濃厚接触者が多発したりや感染者が数名確認されたり現場は大混乱に陥った。

僕は現場の最前線に立って対応したり指示を出したりした。

毎日出勤して日々刻々と変わる状況に対応した。

おそらく僕が現場にいなければもっと混乱していたと思う。


この出来事が僕の考えを固めてくれた。


『僕は現場にいる。現場にいながら経営も考えよう』

そう心に決意した。


今回のコロナの襲撃はおそらく現場の状況を把握していなかったらもっと対応に苦心していたと思う。また現場に行きもせず現場の管理者などに上から指示を出すだけの無責任な対応をしたらきっと現場はバラバラになっていたと思う。

現場を知る僕だからこそ無事に乗り切れたんじゃないか、そう思っている。

多分もっと能力の高い人やカリスマ性のある人なら現場にいなくてもスムーズに対応できるのかもしれない。

でも僕はやっぱり現場を知らないと経営できないし、上からじゃ現場に僕の声は届かないと思う。

だから僕は現場を離れない。


この決意に「経営陣としては失格だ」とか「それではいつまで経っても会社は発展しない」とか思う人もいるかもしれない。

でも僕は僕の思うやり方でしか出来ないし、今後このやり方を正解にしていくしかないと思う。


僕は現場を卒業できなかった。

でも何年後かにこの決意が正しかったと思えるようにしたい、いやしていかないといけない。

僕は現場を卒業する気持ちを卒業する。現場を卒業すると言う勿れ なかれ、だ。


さぁ、今日も入居者と一緒に昼ご飯を食べようっと。




……っという決意で今後も頑張っていきたいなと思っています。

こんにちは、現場が大好きなコッシーです。


今回【卒業】をテーマに書かせていただきましたが、実はノー友のくまさんがこんな記事を書かれていました。



ある利用者さんとの会話からこの淀みなく流れるような文章には心地よさを感じます。「さすがくまさんだなぁ」と1人で唸っておりました。

記事の終盤で、くまさんがこんな風に聞かれていました。

みなさんはこれから卒業したいものはありますか?
そして卒業してしまったもの。
卒業できたもの。
卒業できなかったもの。

愛知県屈指のくまラーの僕としては、くまさんに聞かれたのなら応えるしかないでしょ!ということで記事にさせていただきました。

僕は『現場を卒業しようと思いましたが出来ませんでした、というか現場を卒業しようと思う事を卒業しました』と言ったところでしょうか。ややこしくて本当にすみません(笑)


【卒業】と一言で言ってもいろいろな形があると思います。

友人たちとの別れであったり、これまでの自分を変えようという決心だったりと人それぞれの卒業があって、そこにはいくつものドラマがあると思います。

出来る事ならその卒業には前向きな気持ちがあると良いなと思います。


4月も幾日が過ぎてしまいましたが、皆さんの【卒業】について是非聞かせてください。


それではまた。

コッシー

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