君といつまでも事件
明日は息子の運動会です。ドキドキワクワクして今日は眠れそうにありません#多分泣くと思う
こんにちは、コッシーです。
さて、冬が近づいて朝晩がめっきり冷え込むようになると、気を付けないといけないのがインフルエンザです。
今年はコロナウイルスの影響か65歳以上の方は予防接種が無料になり、そのおかげもあってうちの入居者は既に全員接種できました。
例年ほとんどの入居者に予防接種をしてもらっていますが、それでも毎年必ずインフルエンザになってしまう方がいます。
昨年も1人の入居者が大晦日に発熱し元旦にも熱が下がらず、結局ご家族に救急病院に連れられインフルエンザの感染が確認されました。
元旦は毎年ビンゴ大会を行っており、入居者が娘さんと施設に戻ってきた時ちょうどビンゴゲームの真っ最中で、戻ってきた娘さんの「こっちもビンゴでした」というセリフは一生忘れる事は出来ないでしょう。#笑点なら座布団10枚レベル
一昨年もお一人インフルエンザに感染しました。しかし1番最悪の年が2017年の冬でした。
僕らはこの年の冬の出来事を【君といつまでも事件】と呼んでおり、今でも語り継がれています。
うちの施設では毎週日曜日の昼食後にカラオケを行っています。参加はもちろん自由で積極的に歌う人、自分は歌わず誰かの唄を聴くだけの人、全く参加しない人など様々でした。
入居者のKさん(男性)は、普段は誰かの唄を聴くだけか参加しないかのどちらかでした。
しかしその日は違いました。珍しく「わしも1曲歌おうかな」と言われ、選曲されたのが加山雄三さんの【君といつもまでも】でした。
初めて聴くKさんの唄にみんな興味津々です。
「二人を~夕やみが~♪」
失礼ながら想像していなかったKさんの美声が館内に響きます。仲良く談笑していた女性入居者の会話が止まります。
「幸せだなぁ…僕は君といる時が1番幸せなんだ」
定番のセリフを言う時には周囲の女性入居者がうっとりしています。
Kさんが歌い終わると、自然と拍手がKさんを包みました。
「Kさんお上手ですね!びっくりしました!」と声をかけると「いやぁそれほどでも」と顔を赤らめていました。
他の入居者がもっとKさんの唄を聴きたいとリクエストしましたが、Kさんは「久しぶりに歌ったら体が熱くなってしまいました。少し部屋で休みます。」と残念ながらお部屋に戻って行きました。
その日はその後もカラオケは続きましたが、結局Kさんが歌うことはありませんでした。
次の日になってもKさんは体が熱いと言われ、熱を測ると39℃以上もあり、受診した結果、インフルエンザと診断されました。
体が熱かったのはカラオケを歌ったからではなく、単純にインフルエンザだったからでした。
Kさんの熱は順調に下がっていき3日後には体調はほぼ万全になりました。しかし最大の問題はそこではありませんでした。
Kさんが【君といつまでも】を歌ったあの日、結構な人数がカラオケに参加されていました。今でこそコロナウイルスの関係で1曲歌う度にマイクを除菌していますが、当時は全く気にもしていませんでした。
Kさんが熱唱した後もカラオケは続いていたわけで、しっかりとKさんのインフルエンザ菌が接触したマイクを使い続けていたわけです。
もうお分かりでしょう。
あの日Kさんが使用したマイクを使った入居者たちが次々とインフルエンザに感染していきました。感染の火は入居者だけに留まらずスタッフにも飛び火しました。
本当に日替わりで次から次へと感染していく様は、【君といつまでも】ではなく【菌といつまでも】状態でした。#笑点なら座布団全部持って行かれるレベル
結局入居者5人とスタッフ2人の感染者を出す最悪の年になりました。
その事件を経験したからこそ感染予防に気を付けるようになり、次の年からインフルエンザの感染者はグッと減りました。
今年はコロナウイルスの影響で例年以上に感染予防に徹底しています。手洗い、マスク、換気などの予防の効果は絶大で今のところ発熱された方は1人もいません。
でも油断はできません。ウイルスはどこからともなくやってきます。これからも感染予防に気を付け入居者を守っていきたいという思いは変わりません、いつまでも。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー