見出し画像

かなわない

昨日の記事で貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。皆さんからいただいた意見は、さも自分が考えたかのようにスタッフにちゃんと伝えておりますので安心してください。#手柄を横取りするタイプ

こんにちは、コッシーです。


さて、以前の記事で書きましたが、うちのデイサービスの重鎮中の重鎮のKさんと言うスタッフから3月31日に迎える定年をもって退職したいと言われていました。

会社にとってもデイサービスにとっても、そして僕にとっても非常に大切な方でしたので、最初は戸惑い落ち込み動揺しました。その場で結論を出すことが出来なかったためまた別日に話し合いの場を設けてもらうことにしました。

何をどう伝えたらいいのか迷っておりましたが、動揺した気持ちのまま書き殴った記事に寄せられた本当に暖かいコメントや僕のためにわざわざ書いていただいた記事を拝見し、自分の本心を伝えれば良いんだなと思える事ができました。その節は本当にお世話になりました。


先日Kさんと改めて話をしました。

Kさんは生半可な気持ちで退職を言う方ではありません。相当な覚悟を持ってその決断をされていると思いますので、この話し合いにより考えが変わることはないだろうなと思っていました。

それでも僕は『一緒に働きたい』という自分の正直な気持ちをKさんに伝えようと思っていましたし、最終的にはKさんの考えを尊重しようと思っていました。

気持ちの整理がついていたからなのか、その日の僕は本当に落ち着いており、心の水面には波紋一つありませんでした。


Kさんには、18年間お疲れ様でしたという労いの気持ちと、

これまで本当に多くの貢献をしてくれたという感謝の気持ちと、

これからも一緒に働きたいという願いと、

新たな道を進もうとしているKさんを心から応援していると、

僕の心の内を全て話せたと思います。


Kさんは晴れ晴れとした顔でこちらに対するお礼と、そして3月31日で退職する旨を言われました。

僕の淡い願いは叶いませんでしたが、それでこそKさんです。その決断を尊重し応援したいと思います。

この日の話し合いでKさんから、他のスタッフには自分が辞めることをすぐに伝えたいという希望がありました。デイサービスにおいて様々な重要な役割を担っているKさんが退職するということは、やはり他のスタッフにとっても只事ではありません。

引き継ぎの時間は多いに越したことはありません。早めに退職することを知らせて早めに引き継ぎを始めたいということでした。もちろん、この希望を了承し次の日のミーティングの際に告知をすることになりました。

それにしても、Kさんの業務を引き継ぐとなると現場に大きな負担をかけることになります。もちろん新たな人材を雇用するために採用活動を行いますが、それでも一人何役もこなしていたKさんの代わりは務まるとはとても思えません。

おそらくいくつかの業務は僕がとりあえず引き継がないと現場は混乱するだろうなと思っており、その覚悟も決めておりました。


次の日を迎え、予定通り業務終了後のミーティングの際にKさんからスタッフのみんなへ3月31日で退職する事を伝えました。Kさんは取り乱すこともなくとても落ち着いて淡々と話されました。

18年間、ずっと利用者と向き合い仕事をしてきたことに何の後悔もないこと。そしてここでの経験を持って新たなチャレンジをしたいということをはっきりと言われました。

言葉数は決して多くはありませんでしたが、Kさんの覚悟や誠実さは十二分に他のスタッフには伝わった様子で、誰1人Kさんの発言に対して異を唱える人はいませんでした。


一通り話をした後、Kさんは「最後にみんなにお願いがあります」と言われました。

「これから業務を引き継ぎますが、これだけは約束してください。私の業務は全てデイサービス内で引き継いでください。決してコッシーさんに引き継がせないでください。

この人は仕事が大好きだから、唯でさえ忙しいくせに自分で背負ってしまうところがあります。でもコッシーさんは他にやるべき事があります。私の業務に時間を使わせるわけにはいきません。

辞める私が言うのは申し訳ないけど、どうかお願いします。大丈夫、みんななら出来るって私は信じてるから。

特にYさん!絶対にコッシーさんに頼っちゃダメだよ(笑)」

さすがKさんです。何でもお見通しでした。名指しされたYさんは苦笑いしていましたが、僕はそれ以上に心の中で苦笑いしていました。

本当にこの人には敵わないなと思いました。


さて、泣いても笑っても3月31日でKさんはいなくなります。僕もスタッフも頼れるところが無くなってしまいます。でも残された僕らでやるしかありません。

これからますます忙しくなりそうですが、新しい道を進むKさんに安心してもらえるようなデイサービスにするためにみんなで頑張っていきたいと思います。


あの日、あの記事にコメントくださった方、記事を書いてくださった方、スキをくれた方、読んでいただいた方、本当にありがとうございました。

今回の事を経て、僕はもっと成長します。

その過程をまた記事にしていけたらと思っておりますので、お付き合いいただけたら幸いです。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?