見出し画像

思い込みという魔物

昨日インフルエンザの予防接種を打ってきましたが、美人の看護師さんがいろいろと準備をしてくれてドキドキしていましたが、ふいに「あの…」と声をかけられたので、(ドキッ!まさかのモテ期到来か!)と思ったら、「シャツ裏返しですよ(笑)」って言われました。死にたいです。

画像1

制服の中に来ているヒートテックがなぜか裏返しだったよ

こんにちは、コッシーです。


さて、介護をする上でとても大切な事の一つで【客観的な視点を持つ事】があります。思い込みで決めつけてしまうのではなく、状況や状態などを俯瞰で捉え、冷静な判断をすることが大事だと言われています。

もちろん僕も常日頃からその事に気を付けており個人的感情などで判断を下さないようにしています。

しかし、入居者と長い期間接しているうちにその方の人となりや行動パターンなどを理解すると、ついつい「あの人はあれが好きだ」とか「あの人だったらこうして欲しいはず」と言ったような主観で物事を決めつけてしまう場合があります。


先日の話です。

うちの入居施設は夜間帯(19時~6時)は基本的にスタッフ1人で対応をしており、その日もあるスタッフが担当しておりました。

22時頃でしょうか。スタッフが宿直室で館内を映しているモニターを見ていました。すると201号室のKさん(男性)が2F廊下を手すりつたいに歩いています。普段は歩行器で歩いていますし、そんな時間にそんな場所にいることなんてありません。

どうしたんだろうとスタッフは思いましたが、自分のお部屋に戻っていき、それからは部屋からは出ることはなかったため特に何もしませんでした。

次の日の朝、Kさんに昨夜のことを尋ねましたが全く覚えていませんでした。「寝ぼけてたかもしれん」と言っており、「気を付けなよ」と伝えて話は終わったかのように思えました。


Kさんのお部屋の201号室のちょうど真下に当たる101号室に住んでいるTさん(女性)という入居者がいます。

同じ朝、そのTさんから驚きの発言を聞きました。

「昨日の夜、誰かが部屋に入ってきて私のベッドで寝ようとするから『出てって!』って言ったら出て行ってくれたわ」

なんと闇夜に侵入者が現れたのです。

Tさんから詳しく話を聞くと、昨夜、照明を点けたままベッドでウトウトしていたとのことです。その時です。突然部屋の扉が開き照明が消されました。何が起こったか分からず動揺しているところに誰かがベッドに乗ってきました。怖くなり「出てって!」と声を上げると「ごめんなさい」と言って出ていったそうです。

Tさんに何時頃だったかを聞くと、多分22時頃と言われました。

22時頃…。

その場にいたスタッフ全員、同じ人物を思い描きました。迷探偵コッシーの推理をするまでも無く犯人はほぼ間違いありません。

「Kさんだね」「うん、間違いないと思う」「同じ時間に廊下にいたからね」「あの人寝ぼけて洗濯室や浴室によく入るもんね」

Kさんは他の方のお部屋に入ったことは無いものの洗濯室や浴室などに入り洗濯ばさみや石鹸などを持って行くことがありました。その事を本人に聞いても「覚えていない」と言い張るので、今は夜間帯は全てカギをかけることにしていました。

「洗濯室や浴室にカギがかかってるから他の方の部屋に行ったのかな」

「それとも単純に階を間違えて自分の部屋だと思ったのかな」

スタッフ間で推測しましたがKさんが覚えていない今、真相は分かりません。

Kさんには軽く注意をして、怖い思いをさせてしまったTさんに謝罪をしました。

「Tさん、申し訳ありませんでした。Kさんには注意をしました。本当に怖い思いをさせてしまいごめんなさい。」

そうTさんに伝えると、Tさんから驚き真実を伝えられます。

「え?Kさん?私の部屋に入ってきたのは女の人だよ」


お、女の人…!?


なんと、闇夜の侵入者は女性でした。ということは犯人はKさんではありません。

では一体誰が…

あの夜の監視カメラの映像を確認することにしました。早送りで101号室前の映像を見ます。21時…22時…23時…そして日付をまたごうとする23時59分、101号室に誰かが入っていきました。102号室のHさん(女性)でした。

広範囲で映しているカメラで詳細を確認してみると、23時55分ごろ102号室のHさんがお部屋から出られます。そして食堂まで歩いていき食堂の扉を開けようとするもカギがかかっているため開けられず、引き返します。

そして102号室ではなく101号室の扉を開けて入っていき、数分後に慌てた様子で101号室から出てきて、102号室に入る姿がバッチリ映っていました。

闇夜の侵入者はお隣のHさんでした。

Hさんに確認すると「夢かと思っていた」と言われてましたが、Tさんに謝っていました。Tさんは快く許してくれました。

もちろんKさんにも謝罪をしました。Kさんは「覚えてないわ(笑)」と笑って許してくださいました。


同時刻に偶然にもKさんをモニターで見たからと言って、ろくに確認もせず僕らは完全にKさんの仕業だと思い込み決めつけていました。

TさんもKさんも良い方なので、どちらも笑って許してくださいましたが、人によってはあらぬ疑いをかけられ深く傷つく方も見えるかもしれません。

その時に「ごめんなさい。思い込みでした。」なんて事が許されるはずがありません。

今回の事を深く反省し、僕らは絶対に思い込みで行動しないように気を引き締めていきたいと思いました。

そんな反省の気持ちを忘れないためにあえて記事にしておきたいと思います。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?