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高齢者施設鍵喪失事件

愛知県の緊急事態宣言が2月28日に解除されますが、まだまだ油断は禁物です。気を引き締めていきましょう。#コロナ明けたらローストビーフ

こんにちは、コッシーです。


さて、うちの入居施設ではご自分でお部屋の鍵を管理されてる方が何名かおられます。出かける際もこちらに預けることなく鍵を持ち歩かれる方もいますが、多くの方はこちらに鍵を預けられます。

入居者から預かった鍵は失くさないようにきちんと事務所の決められた場所に置いています。


303号室のNさん(90代男性)は隣のデイサービスを利用しており、デイの利用日にはいつもこちらに鍵を預けられます。

先日デイの利用日にも鍵をいつものように鍵を預かったつもりでした。デイのスタッフがお迎えに来て、Nさんを見送った後で鍵を置いてある場所を見るとNさんの鍵が見当たりませんでした。

「あれ?Nさんの鍵が無い。誰か持ってる?」

スタッフ全員に確認しましたが誰も持っていません。Nさんの鍵が喪失してしまいました。これは事件です。事件と言えばそうもうお分かりですね。あの男の登場です。

彼の名は名探偵コッシー。これまでいくつもの難事件を解決している彼に任せておけば心配ありません。

早速調査を開始しました。


もしかすると僕の勘違いで、そもそも鍵を預かっていない可能性があります。デイサービスに行きNさんの周辺を調べさせてもらいました。

ズボンのポケットには鍵は入っていませんし、カバンの中をくまなく探しましたがどこにもありませんでした。

Nさん自身に鍵のことを尋ねると、「鍵はあんたに渡したよ」と言われます。Nさんは90歳を超える高齢者です。残念ながら記憶力に関しては僕の方があります。

僕の記憶の中ではNさんから鍵を預かった覚えがありませんでした。


Nさん自身が持っていないとすると、残る可能性は一つです。そう、居室に置き忘れているんだと思います。

やはり高齢になるとついうっかり忘れてしまい鍵を置いたまま部屋から出られることなんて日常茶飯事です。きっとこの日のNさんもうっかりして鍵を部屋に置き忘れたに違いありません。

これで事件解決だな、今回も楽勝だったなと余裕しゃくしゃくでNさんのお部屋303号室に行き扉を開けようとすると、鍵がちゃんとかかっていました。

扉に鍵がかかっているということは部屋に置き忘れた可能性はゼロです。Nさんはちゃんと鍵をかけて出かけています。そしてNさん自身は鍵を持っていません。事務所を探しても見当たりませんし、スタッフも誰も持っていません。

どうやら事件は迷宮入りした模様です。

これは名探偵コッシーを持ってしても解決できそうにありません。史上最強の難事件です。


鍵がこのまま見つからないとNさんはどうやって部屋に入るのか疑問に思われている方がいるかもしれませんが、大丈夫です。

僕は施設の全ての扉を開ける事ができるマスターキーを所有しているのです。この鍵を使えばどの部屋だろうが問題なく開けることができます。

とりあえず今日のところはマスターキーで開けさせてもらい、Nさんの鍵は業者に頼んで作ってもらうしかなさそうです。

マスターキーは僕のデスクの引き出しに入っています。Nさんの鍵を喪失したからかなんとなくマスターキーがあるか心配になって確認すると、ちゃんと引き出しの中にありました。


マスターキーが2本。


えっ2本!?


マスターキーは1本しかないはずです。何で2本もあるんだ?と思い確認すると、1本には【303号室】というキーホルダーがついてました。

なるほど、全て理解しました。おそらく事件の真相はこうです。

Nさんから預かった鍵を僕は何を思ったかいつもの場所に置くのではなく、なぜか自分のデスクの引き出しにしまったのでした。

90歳を超えたNさんの記憶力の方が僕の記憶力を遥かに上回っていたのでした。

現場を騒がせてしまい本当に申し訳ないことをしたと思っていますが、ちょっと言い訳をさせていただくのなら、マスターキーとNさんの居室の鍵が結構似ているんです。同じ黒い紐だし、鍵の形状は全く一緒なので僕じゃなくても間違える人はいると思うんです。

比較してもらうために証拠写真を撮りました。

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左がマスターキーで右がNさんの鍵。

うん、間違えないわ、これは。デカデカと303号室って書いてあるね#本当にごめんなさい


ちょっと疲れがたまっているのか有り得ない行動をしてしまったわけですが、それでも今日も見事に事件解決できました!!

見た目は大人、頭脳は子供その名は迷探偵コッシーでした。


次回予告!『私だけ何でプリン無いの?』

ネクストコッシーズヒント:最初にデザートを食べる人


(いやでもこれからは本当に気をつけよう)


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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