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ミサンガの太さは愛の深さ

こんにちは😃コッシーと申します。

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

さて、僕が中学の頃、Jリーグが始まったせいもあり、爆発的なサッカーブームがやってきました。

僕は小学校からサッカーをやっており、中学でもサッカー部に入っておりましたが、ブーム前からサッカーが大好きだった事もあり、このミーハーなブームがとても嫌いでした。典型的なドヤる古参の考え方です。ウザいですね。

そんなミーハーなサッカーブームの中で、唯一僕がカッコいいと思ったのが、ミサンガでした。

編み込んだ紐を手首や足首に巻き、切れると願い事が叶うというアレです。

いやそれこそミーハー中のミーハーだろ!!というツッコミは置いといて、僕はそのミサンガが気になって気になって仕方ありませんでした。

ただ、普段からミーハーなサッカーファンに対して毒づいていた僕は、まさか自分からミサンガを付けたりすることは出来ないですし、ミーハーの王様ミサンガを欲しいなんて口が裂けても言えません。本当にドヤる古参は損しかないので絶対にやめた方が良いです。

僕のミサンガへの秘めたる想いは、手に入らないからこそ余計に大きくなっていきます。

毎日毎日寝ても覚めてもミサンガの事ばかり考えていました。


そんな頃、中学3年の春に僕に初めての彼女が出来ました。

中学2年の3学期に隣の席になったKちゃんです。

青臭い馴れ初め話はまた別でさせてもらうとして、とにかく僕にKちゃんという初めての彼女が出来ました。

彼女と言っても一緒に帰ったり、夜電話をしたり、まだメールが無い時代でしたから手紙をもらったりする、本当に付き合ってると言える?というとても初々しいお付き合いでした。


その日もKちゃんと一緒に帰っていました。

なんてことのない学校の話もKちゃんと一緒だと楽しくて帰り道はあっという間ですぐにKちゃんの家の近くに着いてしまいます。

中学3年の子供の僕に気の利いた事だど言えるはずなく、「じゃ、またね」と片手を上げて立ち去ろうとした時、Kちゃんが僕に言いました。

「来月誕生日でしょ。何か欲しい物ある?」

幸せとは、星の降る夜と眩しい朝が繰り返すようなものじゃなく、こういう事を言うんだなって思いました。back number良いよね。

僕は迷いました。欲しい物ならたくさんあります。しかし彼女からのプレゼントなるとさすがにゲームや新しい自転車なんて頼めるわけありません。

どうしたもんかと頭を悩ませましたが、そこはのちに統括責任者となる僕です。名案を思い付きました。

「ミサンガ…ミサンガがいい!」

いやお前ミーハーがどうのこうの言うてたやん、と思われたことでしょう。

僕も思います。でも彼女にまで自分を取り繕っても仕方ないし、『彼女からプレゼントされたから仕方なくつける』というこの上ない言い訳を可能とするために、僕は恥を捨ててKちゃんにミサンガをお願いしました。

Kちゃんはそれはそれは可愛い笑顔で「うん!」と言ってくれました。


その日から僕は自分の誕生日が来るのが指折り数えて待ちました。

2色の糸を編み込んだシンプルなタイプだろうか?それとも細身のシックなタイプだろうか、細身のタイプなら2,3本お願いしちゃおうかな、なんてワクワクしながら待ち続けました。

そして迎えた誕生日当日、Kちゃんと一緒に下校しました。

帰り道、他愛のない話をしていましたが、内心ドキドキでした。

(今日ミサンガがもらえる…今日ミサンガがもらえる…)

頭の中はその事でいっぱいでした。

そうこうしているうちにKちゃんの家の近くに着きます。

まさか自分から「ミサンガください!」なんて言えるはずもなく、モジモジしていたら、Kちゃんがめちゃくちゃ照れ臭そうに「コレ…」と言ってラッピングされた小さな紙袋を手渡してきました。

「ありがとう」と受け取ると、Kちゃんが「あんまり上手に作れなかったけど、一生懸命作ったから良かったらつけて!」と言い残し足早に去っていきました。

幸せとは、星の降る夜と眩しい朝が繰り返すようなものじゃなく、こういう事を言うんだなって思いました(2回目)。back number良いよね。

家に帰り、どんなミサンガなんだろうとドキドキワクワクしながら、ラッピングを外しミサンガを取り出すと、手紙と一緒にそこには、

めちゃくちゃ太いミサンガがありました。

太さで言うとリストバンドか!っていうくらいの太さで、正直最初はミサンガかどうかも判別が難しいくらいの太さでした。

手紙には、「初めて作ったので上手にできなったけど、心を込めて作りました。サッカー頑張ってください。」と書かれていました。

幸せとは、星の(以下略

冗談はさておき、僕は本当に目頭が熱くなるくらい嬉しかったです。

太いとか細いとかそんなの関係なくKちゃんが僕のために一生懸命編んでくれたミサンガです。嬉しくないはずがありません!むしろその太さが愛の深さを物語っていると言っても過言ではありません!

ミサンガは太ければ太いほど愛されている証拠なのです!(名言)

僕は迷うことなくKちゃんからもらったミサンガを左手に巻きました。

「あんたの左手のソレ何?(笑)」と小バカにする姉と大喧嘩したり、何か言いたそうな友人を「何も言うな。分かっている」と諭したり、サッカーの試合で対戦相手から二度三度見くらいされたとしても、僕はミサンガを付け続けました。

それとは裏腹にKちゃんとは、夏休みに入りお互い部活や塾などで多忙になり、徐々に連絡が少なくなり、中盤以降は全く連絡をすることも向こうからくることも無くなりました。俗にいう自然消滅というヤツです。

そして、夏休みの終わりにもうKちゃんとは終わったんだなーっと理解して僕は左手のミサンガを外しました。

ミサンガを外した後の日焼けあとが情けなかったのを覚えています。


その後僕はミサンガをつける事はなく、もちろんKちゃんと復縁することもなく卒業を迎えそして高校に無事進学しました。

入学式が終わり教室に戻ると、中学が違う同じクラスの子からいきなりこう声をかけられました。

「ミサンガの人だよね?」

どうやらその子は中学の頃サッカー部に入っており、僕の中学と対戦をした時にあり得ないくらいでかいミサンガをつけてる選手を見て、みんなで話題にしており、その選手に『ミサンガ』とあだ名をつけてみんなで呼んでいたらしいんです。

そして入学式に同じクラスにミサンガがいるので、思わず声をかけてしまったとのことでした。

すっかり忘れていたKちゃんのことをまさかこのようなカタチで思い出す事になるとは思いもよらなかったですが、その後僕はしばらくの間「ミサンガ」とクラスで呼ばれるようになり、やっぱりあの時のKちゃんの愛は深かったんだなぁと再認識した次第でした。


実は、本日の記事は、最近よく拝見させていただいている真咲ともかさんのnoteの過去記事を読み思い出したお話です。

僕なんかの超絶くだらない思い出話と違い、とても切なく、そして本当にいろいろと考えさせてくれるお話です。是非是非お読みいただきたいと思い、今日のようなミサンガ話をいたしました。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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