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描くこと

絵を描くことはそこに存在する万物のいのちたちを掬いとって、紙という二次元的、平面的な場所に宿させる行為だとおもっている。


わたしは絵を描くとき、対象となるものをなるべくよく観察している。誤って見落として、輪郭を取りこぼさないように、丁寧に。

その万物たちは、わたしの手によって線が引かれていく度、新たないのちを紙の上に宿す。

脆く儚いいのちたち。


そのいのちたちと会話をしながらわたしは窓をつくる。


こちらの世界と絵の中の世界。そのふたつを繋げる窓。

美術館に行った時によく感じる。等間隔に並べられた窓。一歩進むごとに新しい世界が見えてくる。

わたしのつくる作品も、誰かのための窓になったらいいなとおもう。


今はおおきな展示に向けて、案を生み出している。おおきな窓を、作ろうとしている。


おおきな期待とすこしの不安を持ちながら、毎日を生きている。

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