16の秋
(カルマティックあげるよ ♯15)
高校に入学した当時、ろくに絵心もない分際で絵描きの道を志そうとした私は晴れて美術部に入部した。
しかしそこは実質的に活動する部員が3学年合わせて10名も存在しない、男子校の弱小美術部だった。
部内の空気もゆるゆるで顧問も先輩も「下手でも自分の好きなもの描いたらええやん」といったおおらかな考えの持ち主だった。
そんないい加減なスタンスの部活でのらりくらりと過ごす私に襲いかかった試練が秋の美術展だった。
市内の高校の美術部に所属する学生がみな自身の作品を持ち寄り、市の公会堂を借