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はぐくみ・うまれ・そだつ No.42"ちいさないのち"

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分娩室に運び込まれた私のお腹にモニターが装着された。赤ちゃんの心音やお腹の張りを見るためのものである。

どんどん強まる陣痛・・・分娩台の上で痛みを逃しつつ、あまりの痛みに看護師さんに声をかけた。「あまりに痛いんです。みてもらえますか・・・」

すると「モニターでちゃんと見ているので大丈夫です。」と一言。そのあとはひたすらパソコンのキーボードをたたく音がシーンとした分娩室に響いていた。だんだんと痛みで意識が遠のいてきた・・・そこに助産師さんが登場。「おぉ、これは痛いねぇ。いい波が来ているよ。」といって腰をさすってくれだした。その温かい手にまた涙。ガチガチの体がほぐれてきた。

そしてパパさんが戻ってきた。

その瞬間、涙がこぼれてきた・・・。「どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・。」そうつぶやくと「赤ちゃんが決めたことなんだから、きっと大丈夫。今日、ここで生まれるって決めてきたんだよ。もうすぐ会えるよ。頑張ろう。」パパさんが言う言葉にわたしはうなずいた。

助産師さんが内診をするともう、子宮口はすでに全開・・・。すぐに先生が呼びだされた。そして赤ちゃんが出てこれるように最後の頑張り・・・。

しかし、朝からの流れで私の体は限界に・・・ついに意識が遠のいた・・・。すると太ももにパンパンっと叩かれる感触が・・・。

「眠らないで、目を開けて・・・危ないから!」と先生。

いきなり妻が叩かれてパパさんはびっくり。「先生、何をするんですか?」となった。

「意識を失うと命に係わることもあるもんで、つい。」

気を取りなおして集中。思いっきり深呼吸していきんだ。

するとツルっと小さな赤ちゃんが生まれてきた。助産師さんがわたしのお腹の上にのせてくれた。「ご褒美よ(^▽^)」と笑顔の助産師さん。どうやらパパさんが、なるべく長くへその緒をつなげておいて欲しいとおねがいをしたらしい。

そのあと赤ちゃんはへその緒を切られ保温性のある場所に移動。すぐに処置が行われた。しばらくするとちいさな泣き声が聞こえた。

1532gの小さな女の子。NICUの先生がパパさんに説明。今の現状などを教えてくれていた・・・そこでわたしの意識は遠のいて眠りの世界に・・・。

しばらくして目が覚めると病室に・・・。パパさんが心配そうにのぞき込む。

「よかった。目を覚まして・・・。先生、呼んでくる。」慌ててパパさんはナースステーションに走っていった。(今、思えばナースコール押せばよかったんだよね。)

次につづく・・・

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