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履歴書・ES=電車の中吊り広告

私は就職氷河期と言われる2003年に就職活動を行った。
当時の採用人数は現在の1/4程度。
今のように企業が学生に対してwelcomeな雰囲気を「これでもか!」と演出するようなことはなかった。

大学3年生10月になると、それまで茶髪だった周辺同級生が一斉に黒髪に。
リクルートスーツを着る友人を見ては、焦りを募らせていた。
1月の期末テストシーズンを終えると、一斉に企業の温度が変わり、2月からは面接・リクルーター面談のラッシュとなる。
4月に入って内定がないと「やばい」という雰囲気で、3年生のうちに型をつけようとやっきになっていた。(筆者は3月中旬にベンチャーの内定、下旬に大手3社、4/2に現勤務先である財閥系企業の内定を獲得し、就職活動を終了)

私の就職活動について書き始めると本当にただの日記になってしまう。
そこで私の就職活動で出会い、意識の変わった5つの言葉を紹介しよう。
そして私は財閥系企業に入社後、数多くの面接・OB訪問を学生とこなしてきた。
それを含めて話していきたい。

・履歴書・ESは電車の中吊り広告
・質問に全て正しく答えるな(面接官の土俵で勝負するな)
・パンフレット営業マンになりたいのか
・自己分析ではなく、自分の武器・属性を整理しろ
・受験勉強をしていた自分と就職活動している自分を比較しろ

本日のテーマ
「履歴書・ESは電車の中吊り広告」
履歴書・ESを書くのにどれだけ時間を使っただろうか。
企業によって異なるテーマ。
「自己PR」、「自己紹介」何が違うのかもよくわからない。
丁寧語を使うべきなのか、論説文風に書けばいいのか。
そもそも、どれだけ埋めればいいのか。
悩みは多種多様である。

まずひとつ伝えたい。
履歴書・ESはゴールではない。面接のためのツールである。
面接を読書に例えるなら、履歴書・ESは面接官にとって「本の目次」なのである。

はじめに謝罪しておくが、面接とは失礼なものである。
日本太郎さん(仮名)という方の20年以上の人生は、本にすればかなりの分厚さになるであろう。
何日もかけて集中して読むことで、日本太郎さんの本質を理解できるのである。

しかし、面接は残念ながら15分程度しかないのだ。
これは抗いようのない就職活動の絶対的ルールである。
それを「15分で何がわかる」と言っていては始まらない。
サッカーでGK以外の選手が手を使いたいと騒いでいるようなものだ。
つまり、このルールの中でどう戦うかを考えなければならない。

ただし、企業はひとつヒントを与えてくれている。それが履歴書・ESだ。
ある程度テーマは指定しているものの、履歴書・ESを事前に提出することで
「全部は読めないので、読んでほしいページを先に教えてください」と学生に対してメッセージをくれているのだ。
であれば、人生の一番面白いページを書いておいた方が、「この本は面白い!」と思ってくれる可能性が高い=面接を通過する可能性が高い。
本当は履歴書・ESに色を付けられるのであれば、「ここ読んで!」という意味でハイライトしておきたい。そのくらいの思いをもって履歴書・ESという名の「面接の目次」を作ることが必要なのである。
そう、一番のお手本は「電車の中吊り広告」である。

実際に履歴書・ESを見ると、多くの学生は指定テーマに誘導され、「本当は第2章が一番面白いのに、質問にFITするのが第3章だから、あまり面白くない第3章を書く」というミスを犯している。
これが電車の中吊り広告だとしたら、その週刊誌を読みたいと思う人がいるだろうか?
読んでくれたとして、その空虚な内容を読んで、もっと知りたい!定期購読したい!と思うような人がいるだろうか。

最も重要なのは「履歴書・ESがどんなテーマであろうと、自分が一番話したいエピソードにすり替えていくためのテクニック」である。

ここは重要なので明日、具体例を交えて詳しく説明したいと思う。

【次回】就職活動編①
「履歴書・ESがどんなテーマであろうと、自分が一番話したいエピソードにすり替えていくためのテクニック」

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