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パンフレット営業マンになるのか


私は結論として財閥系企業を選んだが、就職活動中は本気でベンチャーと大手企業を天秤にかけていた。
当時はインテリジェンスやサイバーエージェントが台頭してきたタイミングであり、
特にサイバーエージェントは社長の知名度だけでなく、1年目から月収40万円弱というのが売りで注目を集めていた。

大手企業の説明会に行くと感じることはライバルが多いという現実。
仕事のスケールの大きさ、仕事の知名度の高さ、憧れが想起され、テンションはあがるものの、
説明会の枠に入るのも大変で、周囲の意識の高さを感じて、このままじゃいけないという危機感を感じることができた。

しかし、ベンチャーの説明会に行き始めるとクセになった。
ベンチャーの説明に行くと面白いのは説明会で毎回社長からの話が直接聞ける。

そもそも成長前のベンチャーに新卒採用するような余裕はない。新卒採用活動をしてる時点で、ある程度育ってきている。
そんな会社を実際に起業して、大きくしてきた当事者がそのエピソードトークをしてくれるのである。
これは貴重だった。
その社長がサラリーマン時代に心掛けていたこと、独立しようと思った理由、立ち上げてからの苦労など、
YOU TUBEもSNSなかった中で、本を買わないと知れないような話が聞けたことは本当に有益であった。
その中で、わかりやすく印象に残り、最後まで私を悩ませた言葉が
「パンフレット営業マンになるのか」という言葉であった。

とあるベンチャーの説明会で問われた。
「トヨタ自動車で1億円稼いだ人間と、社員10人の会社で1億円稼いだ男、どっちがすごいビジネスマンだと思う?」
ベンチャーで荒波にもまれながら結果を出してきた社長である。
学生のマインドを誘導するくらいわけはない。
そこで彼が使った表現が「パンフレット営業」である。
大手企業で稼いだ実績は企業の力がほとんどで、本当の自分の力を測定することは難しい。
本当に自分の力を実感したいのであれば、ベンチャー企業の方が向いているというコメントであった。
よくある話だと思われるかもしれないが、これは印象的であった。
納得感があったのである。
最終的に今勤めている会社に決定する際にも、最後まで迷ったのはベンチャー企業であった。

これは深く話す必要がある話ではない。
上記コメントをただただ考えてほしい。
自分が大手に守られていたい人間なのか、本当の意味で実力をつけたいのか、
この問いかけをきちんとしてから、企業選びの結論をつけてほしい。

ただし、そんな私が最終的に財閥系企業に入った理由は、今の会社の人事部に言われたひとことである。
「君の迷いはよくわかった。ただ、君の言う真の実力以上に、履歴書の1ページ目にある企業名というのは、
後の君の社会人の価値に重要な影響を与える。」
これは説得力があった。
もちろん真の実力があれば、成功する可能性は高い。
ただし、新卒採用できちんと大手企業に入った実績があるだけで、次のステップで箔がつくのだ。

私の出した結論は
・大手企業に入社し箔をつける
・いつか独立できるような、つまりは会社に守られていなくても、生きていけるようになる意識だけは忘れない
→市場価値のない社会人にはならない
という思いをもって、今の会社に入社して今に至る。

当時の選択を後悔はしていない。

今でも投資・ビジネス系オンラインスクールでの学習など、いわゆる自分磨きは忘れていない。

実はこの意識と行動によって会社内でも幅広い知識と的確なコメントができることにつながる。

大手企業志望だから大手企業しか情報収集しないというのは間違いだ。自分の知ってる世界、自分の興味のある世界というのは狭い。知れるだけ広く、深く、多くの知識と価値観に触れて、自分を磨いていってほしい。

それが会社の中でキラリと光る存在価値につながるはずだ。

明日は「自己分析ではなく、自分の武器・属性を整理しろ」というテーマで投稿します。


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