子育て1コマ漫画エッセイ『年中無休』 no.02『お絵描き』
「わぁ、すごいすごい!線が引けるようになった!」と、子どもの成長に喜んだのもつかの間。目を離した隙に部屋中カラフルな線だらけ、そして消しても消しても落書きされた…。
「この家は借りてるの。汚さない。絵を描いていいのは紙だけ」と同じことを言い続けた。紙は紙でも、絵本に落書きした時もありましたっけ…。ここに描くのはOK、ここはダメと、懲りずにめげずに言い続けた結果、最近はどこに描けばいいかが、やっとわかってくれた。よかったよかった。
仕事柄、不要になったゲラ(本が出版される前、内容をチェックするために紙へ出力された原稿)がたくさんあるので、もっぱら子どものお絵描きは、その裏。毎日、飽きることなく家族の顔や雨や虹など、身近なものを描いている。
ある日、子ども、円のようなものをグルグル描いていた。それを見ていた旦那。「あ、これ、ひらがなの『の』みだいなね」と、そのグルグルの中から『の』のようなものを指差した。そして、紙をひっくり返し、ゲラの中の『の』の字を指差し、これが『の』、と子どもに教えた。すると、子どもは「あっ、ここにも『の』がある!」と、お絵描きの時間から、『の』探しゲームへと遊びは移った。その遊び以来、街や絵本、TVなどに『の』が登場すると、得意げに私に報告する子どもであった。
現在、『の』以外にも文字に興味を持つようになり、目につく文字をまねて書く。おぼつかない線で書かれる文字を見ると、胸がキュンとする。
<NEWS>
「1コマ漫画2人展」2018.5.20(日)~25(金)
はまのゆか&早川乃梨子がお贈りするクスッと笑える子どもをテーマにした1コマ漫画の原画展。原宿のSEE MORE GLASSにて。>>詳細
発行・一コマ漫画・テキスト・編集・ はまのゆか 2018年5月1日
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