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星の聖剣は戦いの日々を求めて叫ぶ

ブルーエイス。早く起こしに来てくれ。
この真っ暗な海の底で、俺は待っている。
お前に置いてかれてから、俺はずっと一人ぼっちだ。
ブルーエイス。聞こえるか?
お前は俺がいなけりゃダメだろう。
あのドラグーン大戦でオークの大斧から守ってやったのは、どこの誰だったか覚えているか?
ブルーエイス。行かないでくれ。
俺にはお前が必要なんだ。
お前に使われている日々が、一番幸せだった。
冥王軍の精鋭部隊を一騎駆けで翻弄した日は最高だったな。奴ら、お前ひとりに何百人も釣られやがって、城が落ちたのに気づかないんだからな。
ブルーエイス。嘘だと言ってくれ。
戦いの後、救国の英雄と呼ばれたお前が、俺を海に投げ捨てるはずがないだろう。
「もう、戦いは起こらない。この剣は眠りにつくべきだ」なんて言ってないよな。そうだよな?
ブルーエイス……

廃国の海域。嵐絶えることなき海峡の底で。
かつての主を呼び続けるのは、星明かりを纏う一振りの聖剣。

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