アステア大陸殺神記

破壊神ゴアの復活!その報はアステア大陸中を駆け抜けた。
俺がそれを聞いたのは、コボルト退治を終えて小屋でラムを飲みながら装備を磨いている時だった。
「アレス!」
幼馴染の神官であるニーアが、俺を呼びながら小屋に入ってきた。
「どうした?今日は教会で説法があるんじゃないのか?」
「中止になったの!破壊神復活の話を聞いて、みんな怯えてる!」
「破壊神?」
ニーアの話を要約すると、こうだ。大陸の辺境に封印されていた破壊神ゴアが、カルト教団『闇の手』によって封印を解かれたらしい。
俺は動揺するニーアの肩に手を置いた。
「落ち着けよ。大体、破壊神が復活したからってこんな辺境の村には関係ない…」
その時、扉が開いて血まみれの村長が入ってきた。ニーアが叫ぶ。
「村長さん!?」
「こ、これを持って逃げろ…」
村長が懐から出したのは、炎のように赤い宝石だった。
「これは、破壊神を封じるオーブだ…」
それが村長の最後の言葉だった。

【続く】

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