赤い悪魔を撃て!

姉のケリーが赤革の男に撃ち殺されてから一週間が過ぎた。
ロイ・ペンフィールドはシドンの町の酒場でウイスキーを傾け、ひたすらに時を待っていた。
その酒場が赤革の男につながる、最後の手掛かりだった。
保安官バッジを捨てたことに悔いはなかった。ケリーの仇を取れるなら安いものだ。

ケリーは立派な人物だった。ロイが3歳のころに死んだ母の代わりに父と二人でロイを育て上げ、ロイが町に住み始めてからも、辛い牧場の仕事を続けていた。
そして、父が牧場を少し留守にした時に、ケリーは犯されて撃ち殺された。
父は、犯人が牧場の馬を盗んで逃げ去るところを見ていた。赤革のジャケットが日に照らされながら風に踊っていたそうだ。

ロイは煮えたぎる怒りを、ウイスキーと共に胃に叩き込む。ホルスターの拳銃を指でなぞり、頭の中で犯人の頭を吹っ飛ばす。
その時、戸を開けて一人の男が入ってきた。
赤革のジャケットを着た男だった。

【続く】

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