夢を売る男 著 百田尚樹

小説との出会いは突然である。それがどんな理由であろうと。

この小説に出会ったのは、職場の書棚にたまたまあったからだ、永遠のゼロ、ボックスなどは読んだことはあったのだが、夢を売る男は初めて見る背表紙だった。

 はっきりと言う。私の人生で読んだ本の中で間違いなく5本の指に入る本であった。おもしろい、おもしろすぎた。皮肉に満ちた内容の中に文章に対する崇拝や尊敬が随所に見られた。

 多分、これは堅苦しくない百田尚樹の文章読本なのではないかと感じた。そもそも、小説を書く人なんでみんな変人なんだという一節には笑ってしまった。確かに、変人だと思う。自分というものを裸で世間に見せるというのは小説家かヌードモデルくらいなんじゃないだろうか。

 小説は終わった文化であり、インターネット、テレビが文化として世界を牛耳っているというニュアンスの一節があった。これも作者自身が感じていることなんだろうか。確かに娯楽がありふれている現代の社会で小説というとどこか堅苦しく、アニメをドラマを目で見るよりもめんどくさいという感じは事実あると思う。

 私の近辺にも熱心に小説を読んでいるという人はなかなか見つからない。本当に終わった文化であるのだろうか。確かに、経済を動かすという部門に置いて、今小説、本というのは圧倒的に地位は下がっているだろう。しかし、作者もこの文字という独特の美しさの中に何かを見いだせることを知っているからこんな本を書いたのだと思う。

 今後の未来に置いて、小説が衰退していくことは明らかであろうが、その文字の美しさに皆気づいてほしいと願う。

 

よろしければサポートお願いします。本をたくさん買いたいです。お気持ちで、、、( ´∀` ) 我感謝