見出し画像

短歌療法(リハビリ8首)


みみへんにこころの読みを知るならば人の病気で手淫をするな


何度でも蘇る蚊を殺しつつ出しときゃよかった婚姻届


投網のように言葉をめぐらせて大事な人の影ばかり見る


好きだった友の悪口溢すとき金木犀が胸を蝕む


鏡にも夢にも母が訪ね来て「苦しそうね」と華やいだ笑み


六畳の天井板の先に空 両手で鳩をつくって飛ばす


泣く代わりに歌を歌って歌ったら歌った歌だけ憶えていたい


自転車を漕げばすぐさま過去になる 苦痛は残像だから突っ切る




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?