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フリーランスのための初めての業務委託契約書①

こんにちは、弁護士の岩崎です。

最近、フリーランスの友人・知人から契約書について相談を受けることが増えているんですが、一方で、(価格的な問題もあり)なかなか弁護士として本腰を入れて取り組むことができずもどかしい状況なので、
「フリーランスのためのはじめての業務委託契約書」
という連載を始めてみました。

*フリーランスの方にとって、契約書を結ぶときにイチイチ弁護士にレビューを頼むのはコスト的にも手間的にもむずかしいということは分かっているんですが、一方で、フリーランスというのは誰からも守ってもらえない状態なので、フリーランスの方にこそ契約書に関する知識を知っておいてもらいたいなという想いがあり、そういう隙間を埋められるような連載になればよいなと思っています。
連載のつもりですが、反響がまったくなければ心が折れて途中で止めてしまう可能性もあるので、コメントなどいただけると嬉しいです 笑。

もちろん、契約書の本は世の中にたくさんあるんですが、弁護士や法務部向けの難しいものが多く

・そもそも契約とは・・・
・請負と委任の違い

みたいな、(法律や契約書に馴染みがない人にとっては)とっつきにくい内容になってるんじゃないかと思うので、この連載は、なるべくとっつき易い内容にしていきたいなと思っています。

*専門家から見ると物足りない部分もあるかもしれませんが、どうかご容赦ください。


前提1:契約書は怖くない

まず大前提としてお伝えしておきたいのは、「契約書ってそんなに怖くないですよ」ってことです。

フリーランスの方で、はじめて契約書を見るという方にとって、契約書は、

・何やら難しそう
・変なこと書いたら大きなリスクを負わされそう
・急に「甲」とか「乙」とか出てきてよくわからない

みたいな印象が強いと思うんですが、実はほとんどの契約書は、特に何の問題も生じずにその役割を終えます。

契約書になんと書いてあっても、当事者間で合意できればその内容は変えられるわけなので、円満にコミニケーションが取れる状態であれば、「契約書に何が書いてあるか」はそんなに問題にはならないんです。

言ってしまえば、「契約書は、当事者間で揉めたタイミングのみ登場する」というイメージです。

もちろん、金額の大きな契約や、知的財産権など重要な権利に関わる契約についてはしっかり弁護士などにチェックしてもらったほうが良いですが、そうでないものは、ある程度勉強すれば、十分自分で作成・チェックできるものだと思います。

この連載は、読んでいただいた方が、「簡単な契約書なら自分で作成・チェックできる」という状態になることを目指しているので、ぜひ契約書にアレルギー反応を示さずに自分で対応できるようになっていただけたら嬉しいです。

前提2:契約書にコメントするのは失礼じゃない

たまに、

「先方から提示された契約書にコメントして良いのだろうか?」
「コメントとかしたら先方の気を悪くするんじゃないか」

というように、先方から提示された契約書にコメントすることを躊躇される方がいますが、気になる点があったら、迷わず確認やコメントすべきです。

もちろん、言い方には気を付ける必要がありますが、契約書を締結する際は、相手からコメントされることは当然に予想されているので、コメントするだけで関係が悪化することはまずありません。

もし、「契約書にコメントするとは、何て失礼なやつだ!!」と逆上するような相手であれば、そもそも契約を締結した後で揉める可能性が非常に高いので、むしろ契約締結前にそのような相手であることを知ることはメリットが大きいです。


各論

前提が長くなってしまいましたが、以下では、

・フリーランスの方が、何か業務を依頼されて、先方から契約書(業務委託契約書)を提示された

という場面を想定して、「どういう点に注意してチェックすべきか」という契約書の具体的なポイントについて解説していきます。
まず最初は、一番大事なお金に関する話からです。

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