Legendary RC を買った。(その9)
前回、リアのダンパーステーを取り付けるところまで進み、一段とハイエンドバギーらしさが出てきたので、完成を早く見たい気持ちが高ぶっている。
それにしても、色んな人のレビューに書いてあったように、滝博士のこだわりが詰まりまくったメカメカしい組み立ては非常に面白いし、エンジニア魂が刺激される。
こういうものを世の中に生み出すことができるエンジニア人生って、どんな感じなんだろう?と時々手を止めて、思いを馳せてしまう。
自分もこういうメカメカしたものを生み出すエンジニアになりたいと思って工学系に進んだのに、一応エンジニアとはいえ、全く違うことをしている。
齢四十も過ぎ、なんだかもう人生が決まってしまったような気がして、若い頃のように「俺は一体何をしているんだ?」という焦りは感じなくなったが、それでも何かエンジニアとして「ものづくりをした」という痕跡を世の中に残したいという気持ちは、完全に無くなってはいない。
そんなことを思いながら、この“Legend”を組んでいると、単に模型を組むという作業以上に色々な思いが入り混じって、なんだかふと泣きそうな気持ちになる時がある。
ガキの頃にもし手に入れていたら、こんなことは微塵も考えなかっただろう。
だがもしガキの頃の自分が、このキットに触れて少しでも凄さを感じていたら、もしかしたらエンジニア人生のベクトルが少し変わっていたかもしれない。
まだ秋の夜長にはほど遠い、こんな暑苦しい夜にしんみりと考えることではないな…
(これを書いているのは、9月のとある熱帯夜だ)
10ページに進んで、本格的に足回りを組んでいく。
リアのスタビライザーとリアバンパーを取り付ける。
滝博士と前住パイセンのトーク動画を見た時に、パイセンが「これはバンパーですよね?持ちやすいですよね。」と言ったのに対し、滝博士が「持ち手です。」と断言していたのが面白かった。
個人的には、タミヤのキット(特にオフロード)にはだいたい持ち手になる部分があって良心的だと思うが、そのパーツ自体は案外柔らかい樹脂を少なくて短いビスで留めているだけなので、いつも持ちやすいと思いつつも、強度的な不安も感じている。
リアのサスアームを組んでいく。
リアアームに金属のボールジョイントを留める時に、ボールジョイントの角度を合わせるため0.2mmシムを使うのだが、結局、10枚入りを左右で5枚ずつ使って、ギリギリ角度が合った。
説明書の順番だと次にリアアクスルを組むが、アバンテの特徴的なサスを早く見たかったので、リアアームを先にシャーシに取り付けることにした。
以前取り付けておいたサスアームに、今回組んだリアアームを組み合わせて、先端に溝が切ってあるリンクピンで留める。
アームのフロント側先端の金属ボールジョイントをシャーシに固定する。
ここは、シャーシ裏から長いビスに金属ボールジョイントと金属ブッシュを通してからシャーシ穴を通し、ロックナットで上から固定する。
反対側も取り付ける。
スタビのシャフトは、シャーシを傾けるとすぐに抜けてしまうので、マスキングテープで仮止めしておいた。
アバンテのサスペンションは、タミヤのラジコンでは唯一のマルチリンク式となっていて、実車さながらのトレーリングアーム(コントロールリンク)が付いているのが特徴だ。
さすがに金属ボールジョイントを使用しているだけあって、アームはスルスル動くし、何より見た目がめちゃくちゃカッコいい。
何度も書いているかもしれないが、説明書の番号を一つ一つ進める毎にカッコいいと思うって、本当に凄い設計だと思う。
「強いものは美しい」という言葉を時々耳にするし、映画「フェラーリ」でエンツォも「勝利するものは、見た目も美しい。」と言っていたが、アバンテは製作過程から完成形に至るまで全てが美しく、そして完成品は速い。この言葉を完全に体現していると思う。
リアアクスルを組む。
ここはハイエンドバギーらしく、アッセンブリーユニバーサルシャフトやクランプ式ホイールハブが標準装備されている。
まずはユニバーサルシャフトを組む。
動画で関節部分のシャフトを留めるイモネジにはネジロック剤を塗っておいた方が良いと言っていたので、忘れずに塗ってからクロススパイダーにねじ込む。
ホイールアクスルにアンチウェアグリスを塗り、クロススパイダーを差し込む。
スイングシャフトのカップ部分にホイールアクスルのボール部分を差し込み、アンチウェアグリスを塗ったピンを差し込む。
差し込んだピンを、クロススパイダーのイモネジを締め込む。
同じものをもう一つ組んで、リアのユニバーサルシャフトが完成。
組んだユニバーサルシャフトをリアのナックル(アップライト)に差し込むが、実はここで作業を一時停止していた。
というのも、色々なレビューを見ていると、樹脂のナックルがウィークポイントであるというコメントが多かった。
そして、動画でいとも簡単に壊れてしまう瞬間を目撃してしまい、運転が下手な自分は、絶対にサードパーティの金属製に換えた方が良いと思った。
だが、サードパーティのアルミ製ナックルは1万円強。さすがに怯んだ。そして一晩悩んだ。本当に要るのか?
結局、生涯の宝物として走らせて愛でるのであれば、強化できるものは強化しておこうと思って買った。
届いたものがこれ。
最近、色々とお世話になっているGforceのアルミナックルセットだ。
アバンテは金属製のメカメカしいマルチリンクサスがとてもカッコいいが、その反面、足回りが他の樹脂製のキットと比べて重いというデメリットがある。
そして、その中で樹脂素材であるナックルに応力が集中して、クラッシュ時などに簡単に割れてしまうのではないかと思う。
なので、さらなる重量増にはなってしまうだろうが、ナックルも金属化しておいた方がいいだろうと判断した。
ちなみに、以前の記事に書いたが、サンダーショット系シャーシのウィークポイントであるフロントサスの付け根(A5パーツ)もGforceのアルミ製に換えてある。
封を開ける。
アルミだからか、持った感じは予想以上に軽かった。
そして、とにかく美しい。
リアのナックルを見てみる。
エッジはC面が取ってあるが、そこは全てアルミ地の色になっていて、鈍く光る感じが黒とマッチングしてとてもカッコいい。
そして、複雑な形状を削り出しで作ってある。
フロントのナックルもじっくり見る。
こちらもエッジのC面が鈍く光ってカッコいい。
リアは左右共通形状だが、フロントは左右対象の形状となる。
そりゃあ1万円超えるわ。
しかし、たとえその値段でも出してくれたこと自体に感謝だ。(サンダーショットのものも含めて)
数千円のキットならクラッシュして壊れてもいざ知らず、このマシンが壊れた時の精神的ダメージは想像もつかない。
その心配を消してくれる上に、このカッコ良さは絶対に組んだ後も良い仕事をしてくれるはずだ。
さて、リアの足回りを組んでいく。
アルミナックルに1150ベアリングを差し込む。
精度がきちんと出ているためか、はめるのにかなり力を要した。
六角ホイールハブに極小ビスを留める。
ユニバーサルシャフトのホイールアクスル側を、アルミナックルの内側からベアリングの穴に通して、シャフトを通す。
シャフトを固定するためにホイールハブを差し込み、極小ビスを本締めする。
これで10ページの作業が完了したので、続けて11ページに進む。
このページの前半は、前述の通り既に組んでしまったので、後半のアップライト組み立てを行う。
まずはリアのデフジョイントに白いデフスポンジを差し込むのだが、どうやら誤って捨ててしまったようで、いくら探しても見つからなかった。
なので、ストックしているOリングをはめておくことにした。
デフギアに差し込む。
ユニバーサルシャフトのスイングシャフト先端にアンチウェアグリスを塗ってデフジョイントに差し込み、アルミナックルを段付きビスで留める。
ビスは全てネジロック剤を塗布し、走行中に緩まないようにした。
ここまでの組み立ては順調で、特に調整をしなくても、足回りは金属ボールジョイントのおかげでスルスル動く。
この後は12ページに移って、リアのアッパーアームとスタビライザーの取り付けを行う。
続く…
Koshichi Museum by Muuseo
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