39. 値決めについて/ Sobre precio
値決め。
最初に苦労し、勉強させられたのがこの「値決め」でした。
今までの記事で書いてきたように、
人間関係が最も難しい課題ではあるので、
「値決め」については、ある程度の知識を持つことができればクリアできる課題です。
最初のミドリの値決めは、『原価x2』でした。
つまり、原価1000円のものを2000円で売っていたわけです。
何も経験がなかったので、こんなもんかなあ。
むしろ、高すぎるかなあ。なんて迷いながらの値決めでした。
しかし、2021年からは、ほとんどの商品を『原価x3』にしています。
それは、なぜか。
単純に、「利益」を出すためです。
「利益」を出さなくては、ビジネスは成り立ちません。
利益優先主義に走ったわけではなくて、
より良いサービスと品質を求めるための決断でした。
もちろん、職人さんやスタッフさんの労働環境や福利厚生のためでもあります。
値決めをx2からx3にしたからといって、利益が急増したわけではありません。
その分、機械に投資したり、
人材育成に力を入れたり、生産効率化のためのシステム作成など、
より良いサービスと労働環境を作り出すために資金を活用しています。
そして、運が良いことにミドリには競合他社が極めて少ない。
同ジャンルを扱っているメーカーがいないことが、
この決断を後押ししてくれました。
例えば、家電のように競合他社がたくさいる業界では、
何を基準に皆さんは商品を選びますか?
品質?
サービス?
保証?
どれでもないと思います。
価格ですよね。
同じ冷蔵庫を買うなら、ネットで最も安いお店から選ぶと思います。
性能が同じなら、価格で選ぶ。
当然のことです。
売り手である家電業界では、「市場価格」をもとに値決めを行っています。
一番近いライバル店よりも一円でも安くする努力をするでしょう。
でも、ミドリは違います。
ミドリはライバルがいないのだから、「市場価格」を気にする必要がありません。
ミドリの商品は、オリジナルであり品質を重視しているからです。
売り手(作り手)と顧客の両者がwin winになるように、
価値(価格)相応のものを提供し、その対価としてお金をいただく。
最も理想的な循環だと思いませんか?
ミドリでは、特注の相談を受けることがよくあります。
クライアントから画像イメージが送られてきて、
「こんなものは作れますか?」
と、相談がよくあります。
最低でも週に2〜3件はあると思います。
僕らとしても常にチャレンジしたいし、新商品になる可能性もあるので、
特注は大歓迎です。
見積もり作りも真剣に、損をしないように自作のテンプレシートをもとに計算します。
特注のため高くなってしまうので、見積もりが通るのは5件に1件もないと思います。
でも、それでいいと思っています。
誰にでも、なんでも作ります。
という姿勢では、こちらも疲れてしまいますから。
高めの見積もりを提示し、断れたとしても、
こちらの対応がしっかりしていれば、
お客さんも「高くて残念だけど、ミドリはしっかりしてるな。」という印象を持ってくれます。
そうすれば、もっと大切なプレゼント、予算が豊富なときにまた頼んでくれるかもしれません。
値決めはビジネスの生命線です。