ハサミムシの翅は1/15にまで畳まれる

草むしりしていると、時々アゴの目立つ小さな細長い虫に出会います。あのハサミムシ、飛ぶところを見たことありませんが、翅(はね)を持っています。あの細長い体に合わせてどう畳むのでしょうか?

細長い体に合わせるのですから、扇子のようになのでしょう。面積でいうと、広げた時の1/15にして、しまう必要があります。

1/15に畳むのがどの程度大変か、まずは折り紙で試してみましょうか。
縦に半分に折って、まず1/2。それを横に折って、元の1/4の正方形。さらに半分に折って1/8
……まだ足りない。もう一回半分に……これで1/16にはなるはずですが、
えーい、膨らんできれいに畳めないぞ!

そうなのです、単純に折っただけでは、きれいに納まってくれそうにないです。

では、本当は折り畳んでるの?
そんな研究成果が近頃発表されました。

九州大学のプレス発表
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/39899/20_07_14_01.pdf


以下、研究の意義を私なりにまとめてみます。

みなさんも、折ったことありませんか?
紙ふうせんという折紙。
https://nanapi.jp/ja/44225

(ここで、ふーゆーがくる前に、もー一度、あの人とー、と歌うのは、季節外れですね、控えましょう)


この折紙って、折り目の交点のところが弱くなって、使ううちに破けることがあるんですよね。
そのように、折紙には、折り線の交点が機械的に弱くなってしまう、という弱点があります。

昆虫の翅のたたみ方、……たとえば今回話題にされているハサミムシの翅で見ると、折り線が一か所に集まらず、折り線が交わる場所を、ずらしながら、螺旋を巻くようにしてあります。

これだと、開き閉じの時のストレスが一か所に集まらず、傷みにくい。その上、開く時にどこからでも開いていけるという利点もあります(なのでスムーズに開くはず)。

これまでも、昆虫の翅のたたみ方は、コンパクトに収納できることから注目を集めていました。
この研究が大きな躍進となっているのは、複数の種の昆虫の翅のたたみ方の法則性を見つけたこと、
そしてその法則をアルゴリズム化して、任意の形から折り畳んでいく折り線を自動設計してくれるソフトを作った点でしょう。

大学からのプレス資料(A4 2ページ)もすでに公表あるのですが、
さらに詳しく知りたいです。
ちょっと面白そうなので、子供たちとワークショップとかやってみたい!

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