パレオパラドキシア大集合
2024年10/27。
パレオパラドキシア大集合 という呪文に導かれ、やってきました、瑞浪市(岐阜)。
ホントにホントに、大集合している!
大きなケモノの化石が立ち姿へ復元されて、ノシノシ歩いてたり、泳いでたりしているのです。4体も!
全身骨格標本が、国内で5体目、全世界で7体目。
そのうち4体が一堂に会しているのです。
て、何を興奮してるのでしたっけ。
経緯を説明しますね。
パレオパラドキシア(科)は、2300万年前〜1200万年前に生きていた、海辺の哺乳類です。
海辺の、と大まかに書いておきます。生活の場が海中とも陸上とも確定してない……それほどわからない生き物だそうです、なにしろ近縁の種がゴッソリ絶滅しているので……。
そんな化石動物の、一体分ほぼ全部(70%以上)の骨の化石が、2022年この町で発掘されました。
骨格の復元と、化石の産出状態をレプリカにして展示したい
と、市役所を挙げてクラウドファンディングを立ち上げられたので、ご記憶あるかもしれませんね。
今回、それらレプリカの完成お披露目のイベントだったのです。
他用で遅れた私は、しばらく展示スペースで寛いでたら、ホールで行われていた関係の研究者による座談会が終わり、展示の周りが大盛況に。
はるか秩父(埼玉県立自然の博物館)から来られた研究者さんの熱弁に惹かれ、しばらく一緒に回りました。そう、埼玉・秩父もパレオパラドキシア化石の有名な産地なのです。
骨格復元の1つの説明が一段落し、ど素人の私なりに2,3質問もして、ふと気づく。
『埼玉も岐阜も海なし県だ』
と
列島の形成前夜
これらの海なし県が、浅い海の底だった事実……この列島のダイナミックな生い立ちを。
生き物……動物のことである。
4体並んだ個体は、それぞれ様子が違います。
まず姿勢の違い……これは、想定した生活の場面の違いですが、
骨どうしの大きさの比、年齢……それぞれの個体差を見比べ、個々に想像を膨らませる参加者たち(議論が賑やかでした)
さらにいえば、基本的なこともわかりません
・何を食べた
・どう歩き、泳いだ
・子どもと成獣との違いは
・どれくらいの時間素潜りできた
等々、生き物としてのあり方、あるいは生態を、
イメージ固めたいのは、私だけでないでしょう。
ということで、研究者さんたちの熱弁が2時間経っても続きます。
そうして来た山場
……環境や生態への深い読みは、
発掘時の産状レプリカを前にしたとき、特に顕れました。
骨の重なり方、サメの咬み跡、周囲の化石
さらにいうと、岩自体も証言者。
こんなにきめ細かい砂が滑らかに積もるのだから、よほど静かな海岸だろう。
産状レプリカを作られたの意義が、ここにあると、私にもよく解りました。
今後、瑞浪市化石博物館で展示されるとのことです。
皆様も、レプリカを前に、この獣と語らって下さればと願います。
それは、日本列島の生い立ちを(行く末も)、問い直す機会となるはずです。