跳躍が起きるとき

レヴィ・フライトと呼ばれる物質の異常拡散の微視的な仕組みを数理的に解明 ~ブラウン運動とは異なる現実世界のランダムな拡散を理論化~
https://research-er.jp/articles/view/87421

この先の発展を考えると、いろんな分野に波及しそうな発見で、重要と思いましたので、取り上げます。

温めれば膨張する、という、ガスに普通に見られる現象を、数式にする時、ガスの構成粒子(分子・原子)が、ランダムに方向を取り互いに衝突しながら飛んでいる、とモデル化すると、実体とよく合う結果になってました。
それはそれで正しいし、熱統計力学というガッチリした体系を組み上げるほど成功しています。
が、世の中には、ベキ乗則といわれる現象も見つかっていました。経済学に馴染んだ方だと『ブラックスワン』と言われる事象が(古典的な)理論計算より頻繁に現れることを、ご存知だと思います。
この実験は、そうしたベキ乗則に従う現象がどのような時に起きるかの実例を示したものです。
単純といえば単純なことではあります。
先に書いた、ランダムな媒質の運動を、ある程度方向性・秩序づけした運動に変えることが、肝だとのこと。
ベキ乗則に従う現象の全てが、この理由だけで起きているかはわかりません(というより、この条件下で起きそうにないものも多いので)。

けれど、示唆するところは大きそうです。
個人的には、砂粒の大きさがベキ乗則に従うのが、浸食や、水流で運搬中のジャンピングの頻度に左右されるとすると、まさに、この『ランダム運動でない媒質』のモデルに当たりますので。

#物理学 #ブラックスワン

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