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慢性腎臓病〈CKD〉の重症度分類に必要なのはどれか。2つ選べ。
a 血圧
b 性別
c 尿比重
d 年齢
e 腹囲

第118回医師国家試験

正解: b, d

解説

慢性腎臓病(CKD)の重症度分類は、原疾患、GFR区分、アルブミン尿区分の3項目で構成される。この中で、GFR(糸球体濾過量)の評価には性別と年齢が必要である。
GFRは年齢とともに低下し、また女性は男性に比べてGFRが低い。そのため、GFRの評価には年齢と性別を考慮する必要がある。日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインでは、性別、年齢、血清クレアチニン値からGFRを推算する式が提唱されている。
a. 血圧: CKDの重要なリスク因子であるが、重症度分類には直接用いられない。
b. 性別: GFR推算式に用いられる。
c. 尿比重: CKDの重症度分類には用いられない。
d. 年齢: GFR推算式に用いられる。
e. 腹囲: CKDのリスク因子の一つであるメタボリックシンドロームの診断基準には用いられるが、CKDの重症度分類には直接用いられない。
したがって、慢性腎臓病(CKD)の重症度分類に必要なのは「性別」と「年齢」である。

考察

慢性腎臓病(CKD)は、現代社会における重大な健康問題の一つである。高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病を背景に、CKDの患者数は増加の一途をたどっている。
CKDは、早期は無症状のことが多く、検尿や腎機能検査で偶然発見されることが少なくない。しかし、放置すると末期腎不全に至り、透析療法が必要となる。また、CKDは心血管疾患の重要な危険因子でもある。
CKDの診断と重症度分類は、早期発見と適切な介入のために重要である。CKDの重症度は、腎機能(GFR)と蛋白尿(アルブミン尿)の程度により評価される。重症度に応じて、生活指導、食事療法、薬物療法などの介入を行う。
CKDの管理には、かかりつけ医、腎臓専門医、管理栄養士、薬剤師など多職種の連携が不可欠である。患者教育を通じて、患者の自己管理能力を高めることも重要である。
CKDの予防と早期発見のためには、健康診断や検診での腎機能評価の充実が求められる。また、ハイリスク者に対する重点的な保健指導も必要である。
医療者は、CKDの病態と管理に関する知識を深め、エビデンスに基づいた診療を行うことが求められる。同時に、CKDの一次予防と早期発見のために、社会への啓発活動にも積極的に関与していくべきである。CKDの克服は、国民の健康寿命の延伸につながる重要な課題である。

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