見出し画像

#140字小説『ハーモニー』

このスフレは美味い。

教授は年甲斐もなく床に粉をこぼして菓子を齧っている。

僕は姿勢を正して訊いた。

それでその理論は証明されたのですか?

教授は紅茶をすすりながら優雅に答えた。

信仰と科学の融合かね?

それは例えるならこの菓子と紅茶のように調和したテイストなのだろう。

しかしそこに愛がなくば。