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ベランダの自然 鳩編「その2」

 4月6日(水)の朝、7時半頃に起きてベランダの鉢植えに水をやった。その時、鳩の雛が大きくなってきたかちょっと覗いてみたくなって、ヤツデの葉をめくってみた。すると、雛は先日見た時より少し大きくなって、黒い毛も少し生えて来ていたが、一羽しか見えなかった。

 私が覗いたから逃げたのかなと思って、辺りを捜してみたが、鉢の周りに見当たらない。
「もしかしたら・・・・・・」
嫌な予感がした。周辺を注意深く見てみると、雛の隠れている上のベランダの端、手すりの上に赤いものを見つけた。何か液体がこぼれたような跡だ。手すりの下の壁の上にも小さな赤い点を発見した。

 上の階から何かが落ちて来たのかと上を見てみたが、それらしき形跡はない。私は、カラスが飛んできて雛を攫っていったのではないかと推測した。この辺りには、カラスも居る。団地内ゴミ置き場は鍵の掛かる扉の中だし、周辺住民の生ゴミの管理もきちんとされているので、カラスの餌になる生ゴミは少ない。だから、カラスの個体数も少ないが、居ない訳ではない。

 雛はまだ飛べない。素早く動き回れない。親鳥が居ないときにカラスに襲われたらなすすべもなく捕まえられてしまうだろう。私は、鳩に子育てを勧めた訳ではない。鳩が私の了解を得ずに勝手に巣を作って卵を産み、孵化させて子育てしているのだ。子育てを黙認しているが、雛を守る義務はない。しかし、二羽育っていた雛が一羽になったのは良い気持ちがしない。

 死骸が無いから、寒さで凍えたとか、餌をもらえずに餓死したという事でもない。飛べない走れない雛が一羽いなくなった事、雛の居るすぐ上の手すりに赤い液体のような付着がある事、鳩の天敵となる猫等の小動物がここまで来る可能性が殆ど無い事を考えると、やはり、カラスが飛んできて雛を攫って行ったに違いないと考えた。

 どうするか。一応、できる事をしてやろうと考えた。

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