見出し画像

ボールペンのこだわり

 3月末に仕事を辞めてからペンを持って物を書く機会が減った。しかし、全くなくなる事は無いので自分で「使いやすいペンはこれだ」と決めている。

 ボールペンについては、ゼブラ株式会社の「SARASA CLIP」の0.7mmを最も愛用している。ジェルボールペンで黒い文字がくっきり書ける。加齢のせいか細くてインクの色が薄い文字は見えにくくて困るからだ。

 しかし、このボールペンには少し気になる事がある。インクの減り方が早いのだ。油性ボールペンで三菱鉛筆株式会社の「VERY楽ラクシリーズ」1.0mmも使っていて、インクは普通に長持ちするが文字のくっきりさは「SARASA CLIP」0.7mmに勝てない。使い易さを優先すると「SARASA CLIP」0.7mmになってしまう。

 先日、ホームセンターで「SARASA CLIP」の替芯が売られているのを見つけた。私は、「SARASA CLIP」を買うときは会員登録しているスーパーで買っている。そこでは安く買えるのだが替芯は売っていない。「替芯だけ買えば良いのならきっと安上がりになるぞ」と、内心ほくそえみながらそれを買った。税込み¥74.-だった。

 ところが今日、いつものスーパーで買い物していて文具の棚を見て驚いた。「SARASA CLIP」0.7mmの新品が税込み¥73.-で売られていたのだ。
ホームセンターで替芯だけ買うよりも、コンプリートのボールペン本体が¥1.-安かった。普段、何気なく買っていたため、値段を覚えていなかった。

 会員登録しているスーパーでは特別安く買えるのかもしれない。たった¥1.-だけど悔しい。替芯を喜んで買った自分が馬鹿に思えた。そんなことを思いながら商品の陳列を眺めていると、使い易そうなボールペンを見つけた。

 それが、株式会社パイロットコーポレーションの「ドクターグリップ Gスペック」0.7mmだ。値段は高い。このスーパーではかなりの割引率になっているが、それでも、このスーパーでの「SARASA CLIP」0.7mmの値段の約6倍する。但し、替芯は油性で¥70.-で買える。

 どうするか迷った。本体は高くても替芯を¥70.-で使い続ければいずれは割安になる。何より使い易いかもしれない。いや、きっと使い易いのだろう。商品の説明書きに次のようにある。

東海大学教養学部吉田武夫教授のご協力により、慣性モーメントに着目した「動かしやすい筆記具」を人間工学的実験データに基づき実現しました。

 私は学が無いから「慣性モーメント」とか「人間工学的実験データに基づき」とか言われても、それがどういうものなのか、どれだけ凄い事なのか分からない。しかし、筆記具のパイロットコーポレーションが言うのだからきっと凄い事なのだろう。買わない選択肢は無いと思った。

 ボールペンはたくさんあるのに、また新しい物を衝動買いしてしまった。私のような消費者は、メーカーからすると、きっと「良いお客様」になるのだろう。

 まあ、使ってみて本当に使い易かったら、「SARASA CLIP」0.7mmから切り替える事にしよう。しかし、その場合でも、きっと替芯ばかり買って長持ちさせる事だろう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?