マガジンのカバー画像

詩の練習

13
詩の勉強中です。 闇雲に書いています。
運営しているクリエイター

記事一覧

川の中の木

川の流れに立つ木には いろんなものが引っかかる 折れた枝、枯れた草、スナック菓子の空袋 木…

耳のない春

瓦礫の街に注ぐ、うららかで快活な朝日 砲弾の破片を包む、干したての毛布のような若葉 血を吸…

訓練士

悪い訓練士は 怒鳴り、叩き、 恐怖で犬を従える 良い訓練士は 寄り添い、褒め、 犬は自ら励み…

ひび

塀のひび割れから小さな緑が噴き出ている 割れ目に沿って一列に ささやかな花を咲かせている …

高級住宅街

菜の花咲く川に舞い降りる白鷺 狭くてもごみごみしていない道 足元で微笑む桔梗 手入れの行き…

嫌いと憎い

うわってなって 遠ざけておきたいのが 「嫌い」 近寄っていって ぶん殴ってやりたいのが 「憎…

異物の居場所

馴染まなくていい 異物のまま ただ正直に、誠実に そしたらあなたの足元に あなたがぴったり座れるだけの 窪みができるはずだから

茹で蛙

一緒にいると楽な関係 それは本当に「楽」ですか? 慣れてるだけではないですか? あなたが愛…

モテ期

「会えて嬉しい、また来てね」 ああ、ありがとう こんな僕にも会いたいなんて 言ってもらえて…

楽しいときは一緒に笑い 悲しいときは共に泣く それは素敵なことでしょう あなたが嬉しそうな…

春眠

愛らしい寝息につられ目を閉じる幸福

非力

死にたいなんて言われても どうしていいかわからない 無責任な希望を与え あなたの神になるこ…

徒歩12分の距離

徒歩12分なんて誰が決めたの 彼の脚では10分、 彼女なら30分、 あの人にとっては永遠の距離な…