臨採日記【序】(口語訳)

【なり識別】(伝聞の「なり」と断定の「なり」)
世 の 人 す なる note と いふ もの を

(世間の人がしているらしいnoteってヤツを)

翁 も し て み む と て する なり。

({もう若くない}私もしてみようとやってるんだ。)

【接助】(接続助詞を使ってみる)
かつて は 数学講師 なれ ど、

(それまでは数学講師やってたんだけれど)

常 の 召す に あら ざれ ば、

(常勤として雇われてないもんだから)

そこひ かなし と て あり たる を、

({心の}底は悲しいという思いがあったのだけど)

いかが は と 人 の 言ひ ける に、

(今後どうすんだい? と誰かが訊くので)

国語 もがな と 答へ たり しか ば、

(国語ならよいなぁ、と答えてしまったところ)

常 の 勤め の え かづか で、

({結局}常勤の職はもらえることはできずにいて)

数 ながら、数 に あら ず

(数学やりながら{正規職員としての}人員ではない)

と 言は れ たら む ほど

(と、言われているような感じになって)

さ あら ば、

(もしこんなふうならば)

サラバ と は 言は ざり ながら、

(去るよ{辞めるよ}とは言わないまんまで)

ある か なき か の 心地 す なる

(あるのかないのか分からない心地がするという)

かげろう の 日記 に こそ 覚ゆれ。

(あの有名な蜻蛉日記だなぁ、と思ったことよ)

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