「バルセロナ追想」
初めて私がスペインを訪れたのは
ちょうどバルセロナオリンピックが
終わったばかりの92年の冬だった。
場所も文字通りのバルセロナ。
まだオリンピックの余韻が残っており
街ではオリンピックのシンボルマークが
いたるところに描かれたのを覚えている。
ランブラス通りに面した
小さな1つ星ホテルに投宿し、
色々と街を散策してみた。
当時、
イタリアの片田舎にある
パルマという町に住んでいた私には
なにか懐かしいような、
そして少し東京に近い匂いを
感じさせる街がバルセロナだった。
おそらくオリンピックのお陰で
観光都市としての整備が進み
街をあげて、訪れた人々を
歓待する雰囲気があったのだろう。
犯罪の質がイタリアとは異なり
注意が必要だということなどが
「地球の歩き方」などの
ガイドブックで紹介されていたが、
実際に行ってみると、
やはりオリンピックのお陰だろうか
素晴らしく治安は良かったと記憶している。
(といっても、一度地下鉄の駅で
スリに財布を抜き取られそうになったけど)
彼の地でテノールのT氏や、
ソプラノのSさん達と知り合い、
(いずれも当時、日本で名の知れた歌手だった)
彼等の泊まっているホテルで
一晩中宴会をして盛り上がり、
挙句の果てはホテルの人に
「うるさいぞ!」
と叱られたことなどが
今でも楽しく思い出される。
ちなみにT氏やSさんのグループは
あの晩、ほぼ徹夜にも関わらず
翌日から車をレンタルして
スペイン各地を回ったそうだ。
陽気で元気な人達だったなあ。。。
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