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「クラシック音楽番組」

子供の頃は
良く音楽番組を見ていた気がする。

たとえば山本直純の
「オーケストラがやってきた」。

私が一番よく覚えているのは
当時既に世界的巨匠だった
ヴァイオリニストのアイザック・スターンが、
この番組に何度も出演してくれて
サービス精神たっぷりに
面白おかしくクラシックの世界を
紹介していたこと。

また、司会の山本直純と小澤征爾が
親友の仲であったこともあり、
やはり何度もこの番組に出ていたこと・・

他にも
「『女心の歌』のど自慢大会」を行い
アマチュアからセミプロまで登場して
次々に歌い散らかしていた時もあったな・・・

山本直純の陽気ではっちゃけたキャラで
毎回笑いの絶えなかった番組だったと覚えている。


民放の雄が「オーケストラが」なら
NHKでは「音楽の広場」だろうか。

芥川也寸志と黒柳徹子のコンビが絶妙で
山本直純ほどのはっちゃけ振りはないけれど
お洒落な音楽番組になっていたように思う。

指揮の尾高忠明も当時は若く、
お坊ちゃん顔でいつもニコヤカに指揮していたなあ。

こちらはゲストとして
金管好きなら誰でも知っている
「フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル」
が出演し、
スタジオ録画ならではの
洗練されたアングル、ライティングの中で
素晴らしい音色を聴かせてくれたと記憶している。

(当時の私はトランペット専攻だったので
 このブラスアンサンブルの回は良く覚えている)

NHKの「音楽の広場」が土用の夜、
民放の「オーケストラが」が日曜の昼間、
あと、同じく民放で
「題名のない音楽会」というのがあったけど、
こちらは司会の黛敏郎のキャラなのか、
それとも演出・録画会場がそうだったのか、
妙にTVに映る画面が暗くて、
司会も何やら説教臭かったり辛気臭く感じられ
早々にチャンネルを別の局に回したものだった。

・・・うーむ、
おそらくは黛敏郎の
インテリ然とした印象が悪かったのだろうなあ・・・

芥川也寸志が良いとこの殿様とするなら
黛敏郎は陰謀を巡らせる悪役家老タイプ、
山本直純は一歩間違えると「バカ殿」タイプだが、
三人の内でも、とびきりの坊ちゃんか。

そして小澤征爾は
音楽会の「三船敏郎」ではないかと。
どこまでもサムライだしね!(ワハハ)


ちなみに
音楽家としてこの業界に
身を置くようになってからは
このような音楽番組は
ほとんど見なくなってしまった。

「舞台を見て楽しむ側」
ではなく
「舞台に出て稼ぐ側」
になったことで
おそらくは
変容せざるを得なかったのだろうな。

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