「十二人の怒れる男」がもし間違っていたのなら
グレアム・ムーアの「評決の代償」読みました。陪審員の話です。
陪審員の話と言えば「十二人の怒れる男」が有名ですが、これはその評決がもし間違っていたのなら、という話です。
あらすじはこうです。
10年前、ロサンゼルスジェシカ・シルバーというティーンエイジャーの女の子が姿を消しました。死体はないけれど血痕が容疑者の車から発見。警察は遺体がない状態で殺人事件としてボビー・ノックというアフリカ系の青年(ジェシカの学校の非常勤講師)を逮捕しました。ジェシカの父親は複数の企業を経営するお金持ちでマスコミにも注目された事件でした。
主人公のマヤ・シールは他の人々と一緒にこの事件の陪審員を務めました。彼らはマヤの説得もあってボビーに無罪の評決を出したのですが、世間はこの結果を不服とし、不手際で漏れてしまった陪審員たちにも非難が及びました。
10年後、弁護士になっていたマヤの元に、当時の陪審員仲間のリックがやってきます。ジェシカの事件を扱った番組をやる、リックは事件を調べ直してボビーが有罪である新しい証拠を見つけた、だからあの時の陪審員全員に集まってもらって、その番組で改めて事件について討議したい、というのです。マヤは最初断りましたが、上司に言われたこともあって参加することにします。
当日ホテルのメンバーが集まったのですが、なんとその日の夜にリックが殺されてしまいます。それもマヤの部屋で。警察はマヤをリック殺害の容疑者と考えています。マヤは過去の事件と今回のリックの殺人について警察とマスコミに追われながら真相を調べ始めます。
面白いんですよ。でも登場人物がとにかく多いんですよね。陪審員の話だから仕方ないんですけどね。過去の話と現在の話が交互にくるタイプの話ですが何年の話か書いてあるのでわかりやすいです。
ちょっとダラダラしますし、結末もだいぶ読めるんですけど、割と面白いので是非。