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「モリアーティ」は死んだのか?って話

アンソニー・ホロヴィッツ作シャーロック・ホームズシリーズのコナン・ドイル財団公認パスティーシュの第2弾「モリアーティ」読みました〜!すごい時間がかかりましたけども何とか読了。

この話、どんなんかというとピンカートン社(アメリカの民間探偵会社)の探偵フレデリック・チェイスの一人称です。チェイス探偵はアメリカの犯罪界の大物デヴァルーがイギリスの犯罪界のナポレオン、モリアーティ教授と手を組んでイギリスで犯罪をやろうとしている、その証拠の手紙をモリアーティが持っているのでは、ということでがライヘンバッハの滝にやってきます。そこへ別でやってきたスコットランドヤードの警部アセルニー・ジョーンズと出会うわけです。2人はモリアーティ教授の死体を調べ、持っていた暗号を解いてデヴァルーを捕らえるために2人で協力することになります。

まぁこういう話なんですよ。

ホームズのパスティーシュなんですが、「最後の事件」が終わった後の話なのでホームズは出てこないしモリアーティの死体を調べるしでなかなか変わり種です。でもなんかアセルニー・ジョーンズ警部がホームズの変装なんじゃないかな〜と思わせる雰囲気を持ってるんですよね。ほら、ホームズって変装得意だし、最後の事件の後姿を隠してるじゃないですか。で、空き家の事件の時に出てきてワトソンを気絶するほど驚かせる。だからこのジョーンズ警部、ホームズの変装じゃない?と思わせる書き振りになってるんです。でもこれ、割と早い段階で違うなってわかるんですよ。そうするとちょっとワクワクが薄れるんですよね。

まぁ話自体は派手なんです。調査を始めるとナイフ使いの少年が出てきたり、デヴァルーの手下の男が惨殺されたりと不可解なことが次々と起こるし、スコットランドヤードで爆破事件、過去ホームズ作品で出てきた悪役たちも出てくるしと盛りだくさんです。ただホームズものとは雰囲気が全然異なるので「こういうのを求めているわけでは、となる。最後驚きのオチが待ってるんですが、予想できます。あと相変わらずアンソニー・ホロヴィッツは「当時の文化勉強しましたよ!」「ホームズっぽい雰囲気出しますよ!」のクソ長い描写でページ数稼いでくるんですよ。

私は「絹の家」の方が好きですね。おまけの短編「三つのヴィクトリア女王像」はホームズものっぽかったです。

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