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8つの完璧な殺人

ピーター・スワンソンの作品です。和訳が出たのは今年。割と最近じゃなかったでしたっけ?
なんだかんだこの人の本はよく読んでいる気がします。

この作家さん、語り手、視点が入れ替わる作品が得意でそういう作品が多い人なんですけど、この話は一貫して主人公視点ですね。

主人公はミステリー専門の書店を経営しているマルコム。マルコムは数年前に奥さんのクレアを亡くしていて、割と地味な感じで暮らしています。その彼のところにある日FBIの女性捜査官がやって来るんですね。彼女曰く、あなたがかつて書店のブログ上に載せた「8つの完璧な殺人」というミステリー作品のリストの手口を真似た殺人事件が続いている、未解決の殺人の中からあなたのリストの殺人に似た事件がないか探してくれ、というんですね。
そのリストというのがミルンの「赤い館の秘密」、アントニイ・バークリーの「殺意」、クリスティの「ABC殺人事件」、ケインの「殺人保険」、ハイスミスの「見知らぬ乗客」、マクドナルドの「溺殺者」、アイラ・レヴィンの「死の罠」、ドナ・タートの「シークレット・ヒストリー」です。
で、マルコムは協力していくんですけど、殺された中にはかつての彼の店の常連客で正直かなり迷惑だった客がいたり、彼のブログの該当記事に怪しい人物からのコメントがあったり、とどうやら犯人は彼を知っている様子なのです。
マルコムはFBIに協力しながら別に犯人を探そうとします。
というのは彼自身がかつてリストの中の本にヒントを得て殺しをしたことがあるからです。

という話なんですけど、リスト見てどう思います?
知っているのもあればこれ知らないなぁっていうのもありません?私は「赤い館の秘密」と「殺意」は有名作品なので名前は知ってる、という感じで、流石に読まないとなぁと思って今読んでます。ABCは大好きです!「殺人保険」と「見知らぬ乗客」と「死の罠」は映画で見ました。殺人保険は映画の邦題違うんですよね。「死の罠」はお気に入りの映画なのでDVDを持ってます。それくらいお気にいり。「溺殺者」は邦訳が出ていないし読んだことないですねえ。「シークレット・ヒストリー」は邦訳あるけど読んだことないです。この本を読んだ後あらすじを調べて見たんですけど多分今後も読まない。
こういう、実在する作品が出てくる小説ってそれを見ておきたいっていうのありません?見知らぬ乗客、映画と小説と結構違うようなのでそっちも読まなきゃなぁと思っています。まぁ名作は一回読んでおいて損はないですから。今後話に出てきた時に「これ読んでないんだよなぁ」っていう気持ちがなくなるだけでもいい。

作品としては普通かなぁ。あまりいいとは思わなかったです。淡々としていて不愉快な面とかはないんですけど面白くは全くないですね。この人の作品だとダントツで「そしてミランダを殺す」が面白いです。

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