見出し画像

念入りに殺された男

フランスの推理小説ですね。エルザ・マルポ作。

どう言う話かと言うとですね、フランスの田舎で夫と娘2人とペンションやりながら小説を書いて暮らしているアレックス(作家としては修行中であって儲かるところまで行ってません)が主人公です。アレックスは精神的に問題があって、過去に入院したことがあるんですよ。今も不安定な時期もある。その彼女のペンションに大作家のシャルル・ベリエがやってきます。彼は新作を書くために人に言わずにアレックスと夫のペンションに滞在しています。エネルギッシュで魅力的なシャルルにアレックスは魅了されますが、ある日シャルルにレイプされそうになるんですね。挿入はされなかったけどその手前まではされて、ベルト外しそうになっているのをみて無我夢中でその辺の石で殴ったら死んじゃったんですよ。
最初は普通に警察を呼ぼうと思いましたが正当防衛では通らないかもしれません。特に彼女は入院歴があったりしますから。それに相手は有名人です。世間になんと言われるか、2人の娘は、夫は。そこでアレックスはシャルルにもう一度死んでもらうことにします。ただし別の場所、別の時に。アレックスは変装し、名前を変え、シャルルの身辺を探ります。シャルルを殺してもおかしくないような他の人物を彼の周囲から見つけるために。

かなりアイディア勝負の話なんですが、面白くてハラハラするので一気に読んでしまいました。アレックスはシャルルのPCやスマホ、SNSからからの性格や暮らしぶりをつかんで、アシスタントを雇ってはすぐクビにしてしまうことを知り、彼のアシスタントとして彼の関係者にあったり話を聞いたりするんですけど、まぁ普通に考えてうまくいくはずないんですよ。だってテキストメッセージのやりとりはできるけど絶対に電話はしてこないし、会うこともできないんですよ?でもなんとなくさらっと読めるので面白い作品だと思います。

この記事が参加している募集