見知らぬ人
エリー・グリフィスの作品ですね。
舞台はイギリス。ある中等学校で教師の連続殺人が起こります。その中等学校は昔ある作家が住んでいたことで知られているのですが、殺人現場にはその作家の作品の引用が書かれた紙が置かれています。
英語教師のクレアはシングルマザーでその中等学校で教えており、またその娘のジョージアも同じ学校に通っています。クレアの日記に見知らぬ人物から「あなたは私を知らない」という書き込みをされます。どうやら犯人はクレアが嫌っている人物を殺しているようなのですが…という話ですね。
この作品、シリーズにする予定ではなく書き始められたようなんですが、探偵役の警察が独特で、インド系の35歳の女性でレズビアン、実家で両親と暮らしている、という人です。捜査は現代的なんだけれどどことなくゴシックホラーみたいな雰囲気もある感じ。私「火刑法廷」が大好きなんですけどそれと似た空気を持った作品です。
ただ最後まで読むと「犯人こいつか〜」というガッカリ感がありますね。このガッカリ感は「カササギ殺人事件」とか「メインテーマは殺人」に近いものがある。クリスティだと「複数の時計」とかね。「お前が犯人かい!」みたいな。そういう意味では推理小説の名作にはなり得ない作品なんですけど、まぁ気持ちよく楽しく読めるので、そういうのが好きな人は是非という感じかな。