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音読をしよう(音読からスピーキングへ)

音読は英語学習において効果的です。ここでは私が授業で行っている音読方法について紹介してみます。

1.STOP and GO

対象:教師→生徒
教科書:生徒は教科書を閉じる。
方法:教師がまずパッセージを読み始めます。どこかで意図的に止まります(STOP)、生徒はその続きを暗唱します(GO)。暗唱部分は1語〜数語程度とします。
ねらい:授業の冒頭部分で、前時の復習の一環で使用します。家で音読してこないと、スラっと言えません。たまにペア活動として「隣の人よりも速く言って(反応して)みて」とゲーム性を出すこともあります。授業にリズムが出るのと、家で音読をしているかの確認として役立ちます。
ポイント:どこで止まるかが大事です。文末の情報を言わせたり、動詞の前で止まったり。教師側も慣れてくると、生徒からの暗唱部分を引き出して、復習のオーラルイントロダクションができて、本時の導入へと自然に誘導できます。教師側もちょっと練習して、教科書を使わないで1パッセージくらい読めるようにしておくと、教室全体の顔が上がって、よい雰囲気になると思います。

2.音読競争(Reading Race)


対象:生徒(ペア活動)
教科書:生徒は教科書を見てよい。
方法:ペアを作ります。あとはペア同士で音読競争をします。ここでは発音の正確さよりもスピードを重視します。
ねらい:一斉音読などでは、生徒によってスピードのばらつきがあります。競争させることによって、がんばって自分の今出せるスピードよりも速いスピードで音読するように努力します。
ポイント:複数回行います。1回目はと、次は縦ペア、次はライバルペア(注1)、最後は生徒教師を入れてもよいかもしれません。

注1:教室内で、この生徒には負けたくないという生徒とペアを組ませます。

3.Good Pronunciation(よい発音で)


対象:生徒個人
教科書:生徒は教科書を見てよい。
方法:何種類か音読練習をしたあとに、個人の練習として行います。板書で注意してほしいポイントを数個共有します。この際は単語単体でもリンキングを意識したフレーズでも構いません。
ポイント:必要に応じて、机間指導をしたり、ペアで確認させたりします。ここで発音にもフォーカスさせておくことが、あとの表現活動の評価にもつながります。

4.四方読み


対象:生徒個人
教科書:生徒は教科書を見てよい。
方法:起立して4回読んだら座ります。1回目は正面を向いて、次に側の窓を向いて、次に後ろを向いて、最後に側の壁を向いて読んだら、終わりです。You can sit down.
ポイント音読の目的を意識します。スラスラ読む練習なのか。内容を考えながら読むのか、しっかりと指示をしましょう。4回読むと、進度にばらつきが出てきますので、つまづいている生徒の支援をしたりします。

5.暗唱


対象:生徒全体
教科書:最初は見てもよい。
方法:パッセージの中から、数文暗唱させたい文を選びます。その後、Repeat after meで1文を何回か練習します。その後、30秒くらい時間をとり、個人練習の時間をとります。ここで教科書を閉じて暗唱できるように促します。30秒が経過したら、1列を指名し、前から順番に暗唱させます。この工程を他の文でも繰り返します。
ポイント:暗唱はとても負荷がかかるトレーニングです。ここで、どの文を暗唱させるかは、音読後の表現活動に何をするかで決めるとよいと思います。

6.STORY RETELLING


対象:ペア または 個人(対面式スピーキングテスト)
準備するもの:教科書のパッセージの内容に基づくイラスト写真と、必要に応じてキーワードを提示したワークシートを準備します。
方法:5〜10分ほど準備の時間を与え、その後ペア同士などでイラストなどを見ながら、内容を伝える活動です。
ポイント:この活動を通して、音読スピーキングに発展させます。英検の二次対策などにもなります。

以上、6つの方法を紹介しました。
音読はCan-doリストなどには掲載されない項目ですが、トレーニングとしてとても有効です。リーディング、リスニング、スピーキングの3要素が含まれています。他にはリレー読みやピンポンリーディングなどもレベルに応じて行います。楽しくがんばれる雰囲気を出せるようにしたいですね。

教師として駆け出しのころ、自分の英語力には全く自身が持てませんでした。昔ながらのスタイルの授業の中で、自分の音読する場面が多かったので、英語力向上につながったのかもしれません。音読にはリーディングリスニングスピーキング3技能が含まれます。

音読はトレーニングですので、いかに楽しく飽きないで続けるかが大切だと思います。そのトレーニングを通して、どんなパフォーマンスをさせたいのかが、授業のデザインで大切になってくるでしょう。
いつも新しい生徒に英語を使ってどうなりたいか聞くと、「話せるようになりたい」という生徒がたくさんいます。
ですので、私は与えられた教科書を使って、生徒がなりたい姿になれるようにこれからも授業作りをしていきたいと思います。

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