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あすなろ演奏会

近藤です。

山の我が家では朝の日差しが痛い季節になりました。ビオラを弾いていると左の首の辺りにあせもができそうです。

私はコツコツ練習するのが大の苦手でチェロもヴァイオリンもやった期間が長いわりにお粗末なもの。ヴィオラもそうなるんだろうな、と思っていたのですがその諦めに終止符を打つ出来事がありました。

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それは町にある「あすなろ教室」という通級学級で演奏させてもらったこと。 

https://www.city.niihama.lg.jp/soshiki/gakkou/421.html

私の中学時代の恩師から「子どもたちに音楽聴かせてやってくれん?」というお話をいただき、嬉しさ半分、「いいんですか、私たちで」という気持ち半分でお引き受けしたのでした。

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(フルートとチェロのデュエットはあまりないのでいつも夫がアレンジします)

今回は演奏を聴いてもらったり、楽器の話やオーケストラの話をしたりしました。そして、楽器を触ってもらったり弾いてもらったりも。

当日の演奏は先生の送ってきてくれた動画を観て「ごめんなさい」という気持ちになった、と言えばわかってくださると思います。けれどもこのことが私に変化をもたらしました。

「練習は裏切らない」は本当だったんだと思ったこと。

結果が自分の理想と一致したわけではありませんでしたが、今までの自分と比べると随分練習をした、ということが自信になり、上がることが減りました。フルートを吹く時、手が震えていた頃から比べると大きな違いです。

「練習は自分を助ける」と思ったこと。

実はいつもミスするところがあって、必ず弦を見るのですがこの日はその後、楽譜のどこを弾いているか分からなくなってしまいました。普段なら止まってしまうところですが、音符を探しながらも最後まで音を外さずに弾けたことに驚きました。漢字の書き順と同じですが手が覚えていたのだろうな、と練習に感謝しました。

「ゴールが具体的ではっきりしているほど頑張れる」とわかったこと。

これって多くの人にとっては当たり前なんだと思いますが。「具体的ではっきり」というところがこれまでの私は浅かったのかな、と思っています。

私の夫はどこかで演奏する予定がなくても毎日練習することができますが、私には難しい。今回のように「この人に声をかけてもらって、この場所で、こういう人たちに向けてこの曲を演奏する」とその場面が見えるようなゴールがあるとものすごく頑張れることがよく分かりました。

自分は「誰かの気持ちが小さく動くようなことをするのが好きなんだ」ということ。

しばらく吹いてなかったけどまたフルートを始めようと思いました。

フルートってきれい。触りたい。(もちろん触ってもらいました)

ヴァイオリンやってみたくなりました。どんな楽器を買ったらいいですか。

始めてからどのくらいで曲が弾けるようになりますか(1時間でキラキラ星が弾けるようになるよと言うと、その子の顔がキラキラしたように見えました)

弓に使う馬の尻尾の毛って普通の馬から取るんですか。楽器用の馬がいるんですか。(彼はすごい馬好きだそうです。これは分からなかったので宿題)

フルートにもG線ってあるんですか。(私がフルートでG線上のアリアを弾いたため)

ヴィオラって重いんですか。(試してごらん、と何人かの子どもに実際あごと肩に挟んでもらいました)

ハ音記号ってどうして読めるんですか(みんなが日本語を使って英語を勉強するように私も知っている音を頼りにハ音記号の音を読んでいます)

他にも演奏後に子どもたちからたくさん質問や意見をもらいました。中には「吹奏楽部で部活の先生の言葉に傷ついたんだけど音楽は好き」って話をしてくれた子もいました。

私は、誰かが今より先がちょっと楽しみになったり、小さいことでもやってみたくなったりするようなきっかけを作りたかったんだと思いました。

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(チェロを弾くって体験をしてもらいました)

そのために「もっとヴィオラが弾けるようになろう」と本気で思いました。

下手だと親近感を持ってもらえるかもしれないけど、音楽はちゃんと届けたい。クラシックの面白さを知ってもらう為にニコニコしながら弾きたい。だから一から勉強しよう、と思いました。

楽しいからふざけたい。とこれもまた本気で思いました。

コミックバンドほど演奏が上手い、今後はそこを目指していこうと思います。

では、また。