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ベアーズナビ設立経緯 2024.08.4週目週報

ベアーズナビを創業してから僕が株を買戻そうと思ったきっかけ、それを踏まえての考えを共有しようと思います。

ベアーズナビは2019年に創業しましたが、当時は私がこの会社の株主(オーナー)ではなく、設立にあたってお金を出してくれた方がいました。便宜上その人がベアーズナビの代表者でもあったのですが、実際の会社の運営は私が行っていたので、投資家みたいな人がいたと思ってくれたらわかりやすいです。

僕はベアーズナビは自分の会社だと思ってたので、会社が赤字にならないようにベアーズナビからはほとんど給料を取らずに、大阪で2万円の狭いボロボロの家に住んだり外国人と共同生活して出費を抑えて、その傍ら3つ仕事を掛け持ちしてました。朝から夕方は飲食店で働いて、夕方から介護施設で夜勤の泊まり込みの仕事して、あとそれ以外の時間で技能実習生という外国人スタッフを管理する組合でアルバイトさせてもらってました。自宅よりも介護の夜勤の現場が寝床だったんで、結構頑張ってたような気がします。起業する人はみんな頑張ってるんですが。

でも、頑張ってるうちに、「もし自分が頑張って成功しても、投資家にお金吸い上げられるのかな」と思うと、ちょっと頑張ってるのが虚しくなりました。僕の場合、1年目から僕自身が黒字にできるように身を削っていると思っていたので、投資する立場としては実質的なリスクを取ってないように思えてしまったんですよね。実際には経営に関する勉強をさせてくれたり、全く支援してもらってないというわけでもなかったので、一方的な見方である 部分はあると思います。

また、当時アルバイトの人とかインターン生の人が仕事を伝ってくれるようになってたんですが、成功報酬(というか実質無給)で仕事してもらってたんで、僕から投資家の人へ、その子に給料出してあげるようにしたいってお願いしたことがありました。たしかにいまは利益出てないんですが、給料を出すことによって安定的に関わってもらえるようになったら、その子は優秀だからきっとベアーズナビに貢献してくれるようになると思うんです、と伝えました。その子って蔡のことなんですが。でも利益出てないからダメって言われました。

このことを通じて、結局投資家に首根っこ掴まれてるような状態で会社やってたら、僕が本当に守りたいものや大事にしようと思ってるものを守れないなと思いました。いざという時に僕が大事な判断をする決定権がないまま、僕がリーダーとして仲間を集めていくことは、集められた仲間に対して無責任だなと思いました。もう一回自分で会社やり直してもよかったんですが、僕がやり直したらもうベアーズナビは終わりになっちゃって、投資家を裏切ることになるので、結局、投資してもらった金額の2倍の額で株を買戻すことにしました。いつかこの買戻しのエピソードも詳しくできればと思うのですが、これも結構色々ありました。金融機関はもちろん親の老後資金や先輩後輩友達とか前の彼女とかもうなりふり構わずお金借りて集めたので。

そんなこんなで会社買うことになったんですが、せっかく買ったからには、その投資家とは違った僕なりの考えで経営したいと思いました。一つには、働いてくれる仲間の給料を、経営者(甲佐)が吸い上げる、という構図にはしたくないと思っています。各従業員の給料が違うのは、最初にいたからとか会社作ったからとか、権利に基づくものじゃなくて、正当な仕事に対する報酬にしたいと思っています。過去逆の立場で僕が頑張ってても吸い上げられるように感じて嫌だったので。

綺麗事ではなく、それが正しく行われることを示すために、会社のお金の動きや僕の給料含めたあらゆるお金の情報はオープンになっていいと思っています。でも、実際にはいま出社メンバーと経理に関わるメンバーしか確認できていないですし、今後も完全に実現できるかは分からないです。情報管理の観点やプライバシーの問題などで、セキュリティや管理体制のないまま、情報を拡散させることができないです。ただ、ルールを整備しながら、情報がガラス張りになるような体制に個人的にはしたいと思っています。

また、昇給を実施するにあたっては、実際に働いてくれた分よりも、少し高いくらいの設定にしたいと思っています。もし最初の段階で自分が働いた以上の報酬を与えてもらった過去があれば、その後たくさん利益をあげて会社に吸い取られることが仮にあったとしても、それを許容できると思うからです。給与を投資として考えたいということですね。でもこれも、全員に適用できている考え方ではありません。差別しようと思うわけではなく、やっぱり各人それぞれでワークライフバランスについての考え方や、仕事にコミットしようとする熱量は異なると思いますし、能力の問題で、過剰な期待を与えられても、それに見合う力を発揮することは難しいということがあると思います。画一的なものではなく、お互いに関係してきた時間や積み重ねってきた信頼関係によって、決定せざるを得ない部分はあります。

結局、理想を語ってるばかりで、当時思っていたことを完全に実現できているわけじゃないんですが。ただ、少なくとも頑張って働いた人が損するような仕組みにはしたくないと思いますし、個人単位で言うなら、他の会社で働くよりも給料が高いと感じてもらえる会社にしたいと思っています。皆さん家庭やプライベートなど、仕事以上に大切なものが当然あると思うので、必要以上に頑張ってほしいというつもりではなく。

こういう文章は暑苦しく感じる人もいると思うんですが、共感してほしいというより、会社として、できるだけ平等な評価をしたいと思っている、積極的に給料をあげたいと思っている、ということを信じて、皆さんに安心して頑張っていただければ嬉しいです。

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