こるもの先生のアトピー療養日記・9日目

「さて今日は賢い患者になるための講義・心理士編のリベンジ日ですが……
汀さん? 汀こるものさん?」
「10分遅刻しましたすいませんー!」
「何やってたんですか?」

「友達がこるもの先生のアトピー療養日記読んでかわいそうだからステーキランチおごってやるって言うので、他人の金で牛肉食って自己肯定感を高めてました」

別に心理士さんの講義いらなくない?

いや実際こるもの先生の日々は大変なんですよ。
ステロイドをバンバン盛って入院中に見た目だけでも健康な皮膚をゲットしよう。
しかし、その後のリバウンドを防ぐためには見た目、皮膚炎が収まって見えても血液検査でTARC値が人並みになるまでステロイドをやめてはいけない。

……これ、俺、TARC値が人並みになるまで喘息のステロイド吸入薬もやめてはいけないのでは?
1日3回は多いので減らしたいが、吸わないでいると露骨に息苦しい。
これも相談しないとなー……

TARC値は保険適用の問題で月に1回しか測れないため5月を待たなければならないが、他の数値は順調に下がっているので退院は予定通り。
逆に言えば予定を繰り上げて退院することも特にないのだった。

そこに近所に住んでる友達。

「こるものさん、ヒマなら聖徳太子のお墓とか行く?」

何つう誘い文句だ。行くけど。

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