怒りをのみこむ②

私は今、平日の昼間はパートの仕事をしているのだが、仕事仲間のお喋りで一番盛り上がるのは『物価が高い』という嘆きだ。2023年は32000品目も値上げした商品があるらしい。私自身、同じスーパーで同じくらいの品物を買っていても、明らかに合計金額が高いと感じる。
 昨年、シングルマザーの家庭を調べると、44.5%の家庭が相対的貧困に陥っているというニュースがあった。
夏休みなど、1日2食の世帯が40%もあり、1日1食という回答が3.8%だった、と報道されていた。子持ちの家庭が1日一食なんて、明らかに必要最低限度の生活が送れていない。
そんな中、岸田総理が秋に『税収増の還元策として所得減税』をする、と言い出した。
還元、という言葉がまずいとも思わないその鈍感さにガッカリだ。
民から集めた金がたまたま沢山あって、余るみたいだから施しのために戻してあげるという感覚なんだろう。本当は「もらったものはみんな俺らのもの」って思ってるけど『増税メガネ』なんて悪口を言われるから「一回だけ」減税することを思い付いたんだろう。
しかも、その後財務大臣が、減税をするだけの財源はもう残っていないと話した。減税を口にする前に財務大臣に相談しなかったんだろうか。うっかりにしちゃあひどくないか。

大阪万博や、沖縄県辺野古の米軍基地建設にも『一度決めたら何があっても止めない』という一種の意地を感じて腹立たしいが、やはり、昨年11月に発覚した、自民党の政治資金パーティー裏金の問題は、全てにつながっていると思うので、その事を集中して書きたい。
自民党安倍派、二階派の政治資金パーティーで集められたパーティー券収入のかなりの額を不記載にしており、売り上げノルマ以上の収入をキックバックとして受け取っていた。その、隠された収入が裏金となっているのではないかというものだ。年を越して現在、ニュースは誰が捕まるだろう。派閥は解体されるか?政治資金パーティーのルールは変わるか?といったところに注目しているように見える。
だけど、本当の問題は違うと思うのだ。
『そんなことしてたんなら、時間を戻さなきゃダメじゃん』と私は思っている。
 事件の調べが進み、中には5年間で5000万円近くキックバックを隠していた人もいるのが分かってきた。
では、そのお金が無かったら、彼らは政治家として今ほど強くなれなかったのでは?通称安倍派、清和政策研究会は自民党のもっとも大きな派閥だという。岸田首相も、閣僚に何人も安倍派の議員を入れ、安倍派の顔色を伺って政治を動かしていると言われてきた。
そもそも、岸田さんが総裁選で勝った時は、故安倍晋三氏が急に岸田さんを推した事でとたんに潮目が変わった筈だ。裏金は総裁選でも使われている、と一説では言われているらしい。
刷新本部の親方になりそうなのが菅前総理だけれど、バカ言ってもらったら困るよと思う。
河合案里さんの選挙に500万円都合したというメモが見つかった人が何で?ああいう、フェアじゃない選挙をしないために、自民党を建て直すのじゃなきゃ、何にもならない。
裏金というお金は、使い方を誰にも言わなくて良い。ということは、フェアじゃない使い方を簡単に出来てしまうお金だ。
そうやってお金という力で、選挙でゲタを履いた状態で勝ち続けた「安倍一強」だったのなら、あまりにも無茶な政治が行われた、あの時まで戻して欲しい。
特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認、放送法解釈変更、(教育基本法の改正)道徳の教科化、アベノミクス、森友加計学園、桜を見る会‥
特定秘密保護法は、私たちの知る権利を大きく損ねた。「何が秘密なのかは秘密」と当時揶揄しながら笑ったが、やはり、あのころから政治は大きく変わった。
下々の者は、そこまでつまびらかに知らなくていい、というふてぶてしさ。責任は痛感するけど取らない。閣議決定で国会に相談もせずにルールを変える。テンプレのように繰り返される『お答えは差し控えさせていただきます』。
私たちは、私たちの仲間が困ったときにお互い様だよね、と助け合うために税金を払っていたはずだ。あまりにも全体が大きいから分からなくなってしまうけど、本質を言えば、災害時にまとまったお金が掛かる、その時に適切にお金を使って仲間を助けるために税金を払うし、そういった作業をする人員として政治家を私たちは雇っているんだ。
それなのに、日本の最大の党の中で、所得隠しをまるでルールのようにやっていたと言うではないか。それって脱税ですよね?
私たち国民からは、インボイス制度まで導入して税金の取りこぼしがないように厳しいルールを敷いたのに、政治家が組織的に裏金。
やはり、彼らは自分達が上だと思っている。上から下は何をやっているか、悪いことをしていないか、全て見通せなければならない、だけど、私たちの側は下なので、上を見通せなくても良い。きっと、そう考えているんだろう。
③に続く



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?