言葉の美しさ

(本の内容に関してはあくまで個人の見解です。)
最近読む本がどんどん昔のものになってきている。
別に狙っているわけではないが、50年とか100年前の本が多い。
考えてみると、言葉が良い。使っている言葉に深みがあるというか。
グサッとくるような言葉に出会うのはやはり昔の言葉。

周りで共感してくれる人がいなくて寂しい…😭
例えば、『論語と算盤(渋沢栄一)』だと、
「決して極端に走らず、中庸を失わず、常に穏やかな志を持って進んでいく。
渋沢栄一の人生を見ると、官僚に見切りをつけて実業家に転身。何百社もの会社を設立したカリスマ。

そんな彼から「中庸」という言葉が出ることの意外さ。驚き。
文脈としては「論理と実践はバランスをとろうね」というものであった。

しかし、圧倒的な成果を残している人から、「中庸」「穏やか」という言葉が出てくるとは思わなかった。この時の心情を分かり合える人がいるといいなと思うのだが…

岡本太郎も好きで、特に『自分の中に毒を持て』ないで、「あなたは常識人間を捨てられるか」という一節があるのだが、これも美しい。
まずタイトルのセンス。「毒」という危険な香りがする言葉を「持て」という。読み進めていく内にそれは「常識を捨てる」ことなんだと気付く。

タイトルの美しさでいうと、『論語と算盤』も負けていない。
道徳と商売は両立できるよという意味なのだが、それをたった5文字で表現しているところが良い。
しかも、算盤と聞くとパチパチと玉を弾いている姿が想像できて機械的な印象が湧く。そこに論語を合わせる。タイトルだけだと、「?」という感じだが、読み進めていくとなるほどとなる。いやー痺れる。

次に、岡潔著『春宵十話』から
「人間の中心は情緒である。」
まず、岡潔とは日本を代表する数学者である。そんな彼が、情緒だと。論理の権化みたいな人が情緒か。
そして何回か、「真善美」という言葉を使っていた。

そういえば、山口周著『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』にも、「これからは、真善美の時代が来る(来ている)」と書いてあったな。

山口周さんもコンサル出身の方だったな。
ここが繋がっているのか。

どうやら言葉や思想の美しさを考えていることは珍しいらしいので、なんとかこのスキルを活かせないものか考えているのがこの頃です。手始めに文にしてみました。

渋沢栄一の言う、「実践」を少しは達成できているといいな。

終わり

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