パラレルワールドに行く夢。

パラレルワールドに行く夢。

その日、私は複数人と山で探検していた。ごく普通に山を探索し、ハイキングのような和やかな空気で楽しんでいた。
しかし探索途中、山の中で巨大な動物に遭遇し、散りじりになって逃げ回る。

逃げ回っているうちに私は一人虹色の不思議な道を通り抜け、気づいたら実家近くの公園に到着した。山から突然実家の方に戻ってくるというありえないルートを不思議に思いながらもスマートフォンに入ったLINEで皆と連絡してみることにした。

多分山を探索する集団で作られたであろうグループLINEを開くと、私が山から失踪したことになっていた。

え、と思いながらトーク画面を見ていくと、文面の中では何度も何度も私を探したが見つからなかった。(もはや死んだとすら思われてるらしい)というような内容が書き連ねられていた。また、個別のLINEでも大量に私宛のメッセージが来ていた。

その時、私はパラレルワールドに来てしまったのだと悟った。なんとなく、ここは私の世界じゃないと思っていたけど、あのLINEのメッセージを見て確信に変わった。

無我夢中で走ってきたレインボーロードが、パラレルワールドへ繋がる道だったのだ。

途方に暮れた。私がいた元の世界では、きっと父や母がいなくなった私を探して悲しんでるだろうと思った。そして、「一生忘れません」みたいな、「もうあの子は死んじゃったけど乗り越えていこう」みたいなグループLINEのメッセージなどを見て、私がいない世界が完成してしまったのだと悲しくなった。

元の世界に戻れる糸口を探したが結局は見当たらず、走ってきたはずのレインボーロードも何処かに行ってしまった。

探しているうちに気づけば日が暮れてとっぷり夜になってしまい、とりあえず途方に暮れて居ても仕方ないからと安心感を求めて実家の方に行ってみようと思った。

実家に行ってみると、元の世界とは違う点がいくつもあった。家の間取りは同じだけど、微妙に違う。例えば元の実家では飼っていない可愛らしいチワワが飛びついてきたり、沢山のインコが飼われていたり。

なにより、私を出迎えてくれたパラレルワールドの父は、元の世界にいる無口な父より気さくにベラベラ喋るものだから「こりゃたしかにパラレルワールドだな。」と思わず笑ってしまった。

そんなパラレルワールドの父に、わたしは「自分が別の世界から来たこと」を伝えなければならなかった。もしかしたらこの世界に既にパラレルワールドの私がいるかもしれないとも思ったけど、とにかく父に話そうと思った。

そこでふいに元の世界にいる父や友人の顔が浮かび、「もう本当にあの世界には戻れないのか」と再び悲しみがこみ上げてきた。
今目の前に居るこの父は別の世界の住人で、私の本当の父ではない。

本当の父は今も私を探しているかもしれない、そんなことをパラレルワールドの父の顔を見て思ってしまった。それがひどく悲しく思えて、涙が出てしまった。しかし、何とか現状を話そうと私は泣きながら別の世界から来たことを別世界の父に告げようとした。


そこで夢から覚めた。

不思議な夢だったが、「元の世界に戻れない小さな絶望感と、元の世界にいる人達への悲しみや寂しさ。」が詰まった夢だった。
多分、本当にパラレルワールドに行っちゃったとしても同じ事を思うんだろう。

パラレルワールドって、思ったより良いものではないね。突然迷い込むにしては、残してきた物が多すぎる。

そんな風に、夢から朝目覚めて色々思うことがあったので少しnoteに書いてみた。

パラレルワールド行くときは気をつけて下さいね。

本日はそんな感じで。

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